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彼の秘密
第22章 二期
むせ返るような熱気に、鳴きやまぬ蝉の声が遠くから聞こえる。
灰色の部屋に自分ともう一人黒髪の少年が向い合せで立っていた。
あぁ、これは
今まで何回か見てきた夢だった。
少年は長い前髪からぎょろりと目を覗かせると、もう次の瞬間には少年が自分に体重をかけて弱弱しくシャツを握っていた。
「・・・ぁ」
ずるりと少年は自分の足元に倒れ込む。自分の手にはナイフが握られていて、その感触がやけにリアルに感じた。
けど、刺された筈の少年がにたりと不気味な笑みを浮かべて首だけが自分を見た
「君はどうして生きてるの?」
「・・・」
無言で少年を踏み潰す、踏み潰された彼は泥のように黒い物体となって崩れ、飛沫したのがかかり、顔を拭う。
「この子が僕でも同じこと言える?」
後ろから声がして、ばっと振り向くと今度は雫が血だらけになっていた。
その後ろから、あた黒髪の少年が今度は優しい笑みを湛えてひょっこりと出てきた。
「君はこの先の未来が予見できてり筈なのに、どうしてこの子を手放さないの?
いや、手放せないの?同じ他人だろ?」
「違う」
「他人じゃないか、人間という構造は一緒だ。見た目なんて些細なことだろ?
言ってたじゃないかぁ」
「違う!」
「人に興味も持たなかった、散々君にその思いを寄せた人々は腐るほど周りにいただろうに・・・あぁ、可哀想…可愛そう、君の足元は真っ暗な穴があるんだろうね。
そこに埋まってるのは誰かなぁ?
…んふふ、ふふあははは」
がっと頬を掴まれて少年が顔を覗く、驚くほど透き通った目が捕らえて離さない。
「苦しいよね…良いよ。もっと見せて、大丈夫。僕は君を愛してる、許してあげないんだから」
灰色の部屋に自分ともう一人黒髪の少年が向い合せで立っていた。
あぁ、これは
今まで何回か見てきた夢だった。
少年は長い前髪からぎょろりと目を覗かせると、もう次の瞬間には少年が自分に体重をかけて弱弱しくシャツを握っていた。
「・・・ぁ」
ずるりと少年は自分の足元に倒れ込む。自分の手にはナイフが握られていて、その感触がやけにリアルに感じた。
けど、刺された筈の少年がにたりと不気味な笑みを浮かべて首だけが自分を見た
「君はどうして生きてるの?」
「・・・」
無言で少年を踏み潰す、踏み潰された彼は泥のように黒い物体となって崩れ、飛沫したのがかかり、顔を拭う。
「この子が僕でも同じこと言える?」
後ろから声がして、ばっと振り向くと今度は雫が血だらけになっていた。
その後ろから、あた黒髪の少年が今度は優しい笑みを湛えてひょっこりと出てきた。
「君はこの先の未来が予見できてり筈なのに、どうしてこの子を手放さないの?
いや、手放せないの?同じ他人だろ?」
「違う」
「他人じゃないか、人間という構造は一緒だ。見た目なんて些細なことだろ?
言ってたじゃないかぁ」
「違う!」
「人に興味も持たなかった、散々君にその思いを寄せた人々は腐るほど周りにいただろうに・・・あぁ、可哀想…可愛そう、君の足元は真っ暗な穴があるんだろうね。
そこに埋まってるのは誰かなぁ?
…んふふ、ふふあははは」
がっと頬を掴まれて少年が顔を覗く、驚くほど透き通った目が捕らえて離さない。
「苦しいよね…良いよ。もっと見せて、大丈夫。僕は君を愛してる、許してあげないんだから」