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彼の秘密
第22章 二期
その夜、隣で寝息をたてている雫の前髪を弄る。

この子は自分を大切にしない。
ずっと我慢をして、爆発して。そんなことを繰り返していたら心が持たない
「馬鹿だなぁ」
甘えて欲しい、もっと自分を頼って欲しい。
でも俺はその方法を知らない。

髪を弄っていた指を頬に移す、しっとりと伝わってくる熱が雫に対する愛しさを増して抱き締めてしまいたくて、けど壊れてしまうんじゃないかって思って結局、間を少し詰めるだけだ。

情けなくて苦笑いする

天才だの言われても、何も出来ないただの子供
模試で一位を取れても、目の前の大事なものを守れなきゃ意味がない。

今更間違った選択をしたと気がついたのか、違う。
気づきながら自分の願望に手を伸ばしたんだ。

今だけは幸せな夢を見ていたい

暁はそっと瞼を閉じた
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