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第11章 愛をありがとう

｢ほらっ、できたぞっ！！｣

｢えっ？もう終わったの？｣

｢あぁ。鏡で見て来いよ。なかなかいい感じだぜ。｣


見事なﾊｻﾐさばきで、あっというまに仕上がった髪を、輝翔が撫でる。

明らかに軽くなった頭。

どんな感じに仕上がっているんだろう？


｢輝翔、ありがとー。ちょっと見てくるね。｣

｢あぁ、気に入るといいけどな。｣


そう言って私は、洗面所にある鏡で自分の姿を見に行った。

顎のあたりで揃えられたﾎﾞﾌﾞ。

初めての髪型だけど、年齢よりも若く見える。

何より輝翔が私が似合うようにと、切ってくれた事が嬉しい。

このまま髪が伸びなければいいのに。

輝翔がしてくれた髪型を残しておきたくて、私は自撮りをして、画像を保存した。

輝翔に切ってもらうのは、これが最後かもしれないから…。