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タイムリミット365
第11章 愛をありがとう
「髪…ボサボサだぞっ…。」
「えっ?」
「髪伸びたな。切ってやろうか?」
私の髪を指ですきながら、輝翔が言った。
「切ってくれるの?」
「あぁ、それくらいならまだ出来る。それに俺は手先器用だからな。」
自信あり気に言った輝翔の顔を見て、私は思わず吹き出してしまった。
こんな輝翔の表情を見れたのは、本当に久しぶりだったから。
「何だよ、そんなに面白い事か?」
「ふふっ」
ムッと膨れっ面になった輝翔がまた可愛い。
こんな雰囲気は久しぶりで、私の落ち込んでいた気持ちも、少し晴れていく。
お互いに顔を見合わせて、笑って。
そんなありきたりな事にさえ、幸せを感じていた。