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タイムリミット365
第2章 謎の男
私、櫻城羽音(サクラギウタ)は今から、この世を去ります。
22年の人生、後悔しかない。
でも、未来なんて余計に考
えられない。
この先、生きていても幸せなんて訪れるはずもない。
私は生きる事に疲れ、絶望していた。
自分なりに、努力はしてきた。
でも下落した人生は、ずっと下落したまま上昇する様子もなくて…。
はぁ…、もう疲れちゃった…。
生きていく自信が、もうなくなっちゃった…。
高いビルの上。
強い風が私の体を煽る。
普段ならこんな事、怖いとしか思わないけど、この世を去ろうと決意した私には、全く恐怖なんてなかった。
バイバイ。
22年の私の人生。
「おい!そこの女!」
「………っ!?」
足を前に進めようとした瞬間、私に誰かが、声をかけた。