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タイムリミット365
第2章 謎の男

ビクッ!!

急に現実に戻され、怖くなって足を後退させる。

せっかくもうすぐに逝けたのに!

一体何な訳?

私は声の主をキッと睨みつけた。


「悪いんだけど、俺の前で死なないでいただける?人がマッタリ休憩してる時に、胸くそ悪いんだけど。」

「アンタには、関係ないでしょ?どっかに行けばいいじゃん。」

「ハッ!死のうとしてた割には、随分と威勢がいいんだな。」


私に声を掛けてきた男を、マジマジと見る。

アッシュグレ-の柔らかそうなフワフワな髪。

左耳にはシルバーのピアス。

黒い眼鏡の下には、色素の薄い茶色い瞳。

全体的に何だかセクシーな男がそこにいた。

長い指に挟んだ煙草をふかす姿も、色っぽい。

こんな男に抱かれてたりしたら、私の人生も少しは変わってたのかも…。

そんな事を思ってしまった。

でも、そんな事はどうだっていい。

私は今から、この世を去るんだから!!

私は男を無視して、もう一度前に進む。

今度こそ、サヨナラだ!!

そう思った。

それなのに…!!

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