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タイムリミット365
第6章 向き合う事
あの世ではなく、輝翔がいるこの世に、私はまた戻ってきてしまったんだ…。
また輝翔によって私の命は、救われてしまった。
静かに瞳を開けると、心配そうに私を見つめる輝翔と瞳が合った。
「きら…と?なん…で?」
私がやっとの思いで、声を出して聞くと、輝翔が私を力強く抱き締めた。
「勝手に死ぬんじゃねーよ!」
「………。」
「俺を一人にしないでくれよ…。」
「輝翔…?」
初めて聞く輝翔の弱々しい発言に、私の心が揺らぐ。
どうしたんだろう?
輝翔がこんな事、言うだなんて…。
いつも自由で強引で、強気な輝翔。
そんな輝翔から出た弱気な言葉。
輝翔は、一人でも平気でしょ?
私なんかいなくたって、毎日は変わらないでしょ?
そう思っていたのに。
「お願いだから…俺を一人にしないでくれよ…。」
力強い輝翔の腕とはにつかない程の、弱々しい声で輝翔がもう一度私にそう言った。