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タイムリミット365
第6章 向き合う事
ねぇ、輝翔?
今、あと少しの命って言ったの?
「輝翔…?」
勢い良く出た輝翔の言葉は、あまりに衝撃的過ぎて、私は輝翔に腕を掴まれまま、立ち尽くしてしまった。
「輝…翔、あと少しの命って、何?」
「………。」
「ねぇ?どういう事?」
「………。」
「もう、隠し事なんて、しないでよ!!ねぇ!輝翔ってばっ!!!」
輝翔の胸を叩く度に、私達の足元の水が波打つ。
「まだ1年終わってない!輝翔はまだ、私の彼氏でしょ!だったら、隠し事なんてしないで!ちゃんと私と向き合ってよ!!」
「羽音…。」
「それが出来ないなら、何でさっき、そのまま逝かせてくれなかったのよっ!!」
見上げた輝翔の瞳が寂しげに揺れている。
「形だけの恋人なら、いない方がいい。こんな辛いなら、そのまま死なせてよ…。助けたりなんて、しないでよっ!!」
繋がったままの手が引き寄せられて、私はまた輝翔の腕の中に包まれた。