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タイムリミット365
第7章 輝翔の真実

私達は、身なりを整えて、浅沼さんの元へと戻った。


「成海!今回のすごくいいな。うん!これなら、いけると思うぞ!」


やや興奮気味に、原稿を持った浅沼さんが、輝翔に言った。


「そうか。良かった。」

「ラストは決まってるのか?」

「いや、まだ決まってない。全部書き終えたら、また連絡する。」

「あぁ!待ってるよ。」

「これが、俺の最期の作品になるだろうから、ラストはしっかり考えたいんだ。」

「そうか…。後悔のないようにな。」


そう言って、浅沼さんは寂し気な表情を見せて、輝翔の肩をポンポンと叩いた。

浅沼さんも知ってるんだ…。

輝翔の病気の事…。

そうだよね、昔からの友達だもん。

私が知らない輝翔を、きっとたくさん知っている浅沼さんが、私はすごく羨ましかった。

そんな私の気持ちを感じたのか、浅沼さんが優しく私に微笑んだ。


「成海、お前は先に下に行ってろ。俺は少し羽音ちゃんに話す事あるから。」

「あ?何でだよ?」


突然そんな事を言った浅沼さんに、明らかに不機嫌そうに言う輝翔。


「もうガキじゃないんだから、そんな事でイチイチ機嫌悪くするなよ。いいから、下で待ってろ。」

「はいはい、わかったよ。じゃ、羽音。車で待ってる。」


浅沼さんにうまくなだめられ、輝翔は部屋を出て行った。

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