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タイムリミット365
第7章 輝翔の真実
「悪いね。嫌な思いさせて。アイツ昔はあんなでもなかったんだけどな。」
応接室に通され、ソファーに座る私に珈琲を出しながら、浅沼さんが言った。
「輝翔とは、長い付き合いなんですか?」
「そうだね。もう、10年以上の付き合いだね。羽音ちゃんは、成海とは付き合って長いの?」
「いえ。まだ半年です。」
「そうか…。」
私の前に座った浅沼さんが、珈琲を一口飲むと、また寂し気な表情をして、私を見た。
瞳を細めながら、浅沼さんは淡々と話しを続けた。
「成海の病気の話は聞いた?」
「はい…。」
「そっか。それでも、羽音ちゃんは、成海と付き合っていられる?不安じゃない?」
「はい。別れる気はありません。」
不安じゃないと言ったら、嘘になる。
でも、それ以上に輝翔と今を一緒に生きられない方が私にとっては、辛い事だから。
「それは俺にとっても、嬉しい事だな。アイツを一人にしないで欲しい。そばで見守ってあげて欲しいんだ。」
「浅沼さん…。」
「アイツには、今は羽音ちゃんしかいないからさ。アイツの生きる力になってもらいたいんだよ。」
残った珈琲をグイッと飲み干しながら、浅沼さんが言った。