この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋の行方を探してください【完結】
第26章 【二十六話】ジュエリー・コバヤカワ
 車から降りて、ジュエリー・コバヤカワがある十五階までエレベーターに乗った。
 途中、だれとも会うことがなく、美哉はなんとなくホッとした。
 この建物は地下二階、地上三十階建て。その真ん中あたりにジュエリー・コバヤカワがある。ちなみに、エレベーターホールはだれでも入ることはできる。
 統括事務局のゲートもだが、ジュエリー・コバヤカワのゲートはもっと厳重で、サークルゲートというものが三つも設置されていて、一人ずつしか入ることができない。

 そんな話を由臣がポツポツとしているうちに、あっという間に十五階へ到着した。
 美哉は恐る恐る、エレベーターホールに立ったが、警報が鳴り響く、なんてことはなかった。
 ホールで横に立った由臣は、美哉に説明を始めた。

「青側が入る用。赤は出る用。内側から見たら、色が逆になっている。これは朝は二つとも、青になっていて、今の時間は早退者や遅刻者用に赤と青になってるんだ。定時が過ぎたら二つともこちらから見たら赤になる」
「へー」
「ゲートは一人用。そこにカードリーダーがあるだろう? そこにかざせば扉が開く。五秒以内に入らないと、その日は社内に入れない」
「うわっ、シビア」
「しかも、入場は一日一回のみ。一度出たら、その日は入れない」

 厳しいとは聞いていたけれど、一日に一回しか入れないって、外出も容易にできないということで……。

「宝飾品を扱っているからな。おいそれと持ち出されたら困るわけだ」
「そうですけど……ちょっと厳重というか……。でも、帰るときに持ち出すってことも出来ますけど、そういうのは防げるんですか」
「それに関しては、社内に監視カメラがついていたり、宝飾品の入った金庫を開けられるのは数人しかいないといった対策を取っているが、完全とはいえない。後は従業員の良心に委ねられている」

 仮に出入口にセンサーを配置していたとしても、金属ならともかく、素の宝石だけを持ち出そうとされたらきっと、通り抜けることは簡単なのだろう。

「とはいえ、なにごとにも例外ってのはあって、俺と美哉のカードなら何度でも出入り自由だから」
「…………インチキだ」
「そこは厨二病っぽく、チートと言ってほしかったな。ま、本来の意味だけどな、チート」
/277ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ