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恋の行方を探してください【完結】
第52章 【五十二話】家族になろう
それは前から言われていたことだった。しかし……。
「由臣さんのこと、好き、ですよ? でも、それと結婚は……」
「そうなるよな」
「だって私、天涯孤独の身ですよ? それでもいいんですか」
「それでもいい。むしろ俺は、美哉に新しい家族を作ってあげたいと思ったんだ」
「っ!」
思わぬ言葉を言われて、美哉の瞳から涙がこぼれ落ちた。一度、あふれ出した涙は止まることを知らず、次から次へとあふれてくる。泣き顔を見られたくなくて、由臣の胸に顔をうずめれば、ぎゅっと抱きしめられた。
「宇佐見姓をなくしたくないのなら、宇佐見由臣になってもいい」
「……それは」
「そこについては、親父と話はついている」
「え、そこまでっ?」
「俺の身体のことも知っているからな、親父は。絶対に逃すなと言われている」
「……考えさせてください」
「あぁ、すぐに答えをもらえると思っていない。それより俺は今、うれしい。美哉が前向きに検討してくれると言ってくれたからな」
「ポジティブですね」
「あぁ、美哉がいればな」
そう言って、由臣は美哉の頬にキスをして、笑った。
【おわり】
「由臣さんのこと、好き、ですよ? でも、それと結婚は……」
「そうなるよな」
「だって私、天涯孤独の身ですよ? それでもいいんですか」
「それでもいい。むしろ俺は、美哉に新しい家族を作ってあげたいと思ったんだ」
「っ!」
思わぬ言葉を言われて、美哉の瞳から涙がこぼれ落ちた。一度、あふれ出した涙は止まることを知らず、次から次へとあふれてくる。泣き顔を見られたくなくて、由臣の胸に顔をうずめれば、ぎゅっと抱きしめられた。
「宇佐見姓をなくしたくないのなら、宇佐見由臣になってもいい」
「……それは」
「そこについては、親父と話はついている」
「え、そこまでっ?」
「俺の身体のことも知っているからな、親父は。絶対に逃すなと言われている」
「……考えさせてください」
「あぁ、すぐに答えをもらえると思っていない。それより俺は今、うれしい。美哉が前向きに検討してくれると言ってくれたからな」
「ポジティブですね」
「あぁ、美哉がいればな」
そう言って、由臣は美哉の頬にキスをして、笑った。
【おわり】