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恋の行方を探してください【完結】
第29章 【二十九話】手当たり次第
そんなことがあるわけないと美哉は大きく首を振り、窓に顔を向けた。
「槇さんのこれまでの素行を聞いていたので、写真を見て、嫌ななにかを感じ取ったんですよ!」
「そういうことにしておくか」
とあまり本気に取り合ってくれない由臣だったが、美哉は言い返さなかった。
車内はエンジンの音と由臣がキーを叩く音だけしていた。
しばらくキーを叩く音が続いていたが、それが鳴り止んだ。
「ちょっと手間取ったが、槇のメールのログ、拾えたぞ」
「由臣さんっ!」
「捜査に必要だから、問題ない」
「それでも!」
ジュエリー・コバヤカワで、きっとやるんだろうなと思ったことを、なにも車の中ですることはないのではないかと思ったが、捜査に必要と言われてしまえば、黙るしかなかった。
「山岡篤美が言ってたとおりだな」
「え?」
「仕事のメールのふりをして、複数の女性にメールしている」
「最低ですね!」
とは言ったけれど、ふと、疑問に思ったことがあった。
「ところで、槇さんはどこで女性と知り合っていたんでしょうか」
「さすがに全部は読んでないが、グループ会社の女性もいれば、取引先やら、宝飾店勤務の女性もいるな。会うのは『打ち合わせ』とか言ってるな」
「……手当たり次第ですね」
「ここまできたら、病気だな」
由臣のその言葉に、美哉は大きくうなずいた。
「槇さんのこれまでの素行を聞いていたので、写真を見て、嫌ななにかを感じ取ったんですよ!」
「そういうことにしておくか」
とあまり本気に取り合ってくれない由臣だったが、美哉は言い返さなかった。
車内はエンジンの音と由臣がキーを叩く音だけしていた。
しばらくキーを叩く音が続いていたが、それが鳴り止んだ。
「ちょっと手間取ったが、槇のメールのログ、拾えたぞ」
「由臣さんっ!」
「捜査に必要だから、問題ない」
「それでも!」
ジュエリー・コバヤカワで、きっとやるんだろうなと思ったことを、なにも車の中ですることはないのではないかと思ったが、捜査に必要と言われてしまえば、黙るしかなかった。
「山岡篤美が言ってたとおりだな」
「え?」
「仕事のメールのふりをして、複数の女性にメールしている」
「最低ですね!」
とは言ったけれど、ふと、疑問に思ったことがあった。
「ところで、槇さんはどこで女性と知り合っていたんでしょうか」
「さすがに全部は読んでないが、グループ会社の女性もいれば、取引先やら、宝飾店勤務の女性もいるな。会うのは『打ち合わせ』とか言ってるな」
「……手当たり次第ですね」
「ここまできたら、病気だな」
由臣のその言葉に、美哉は大きくうなずいた。