この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋の行方を探してください【完結】
第36章 【三十六話】みんな私の御庭番ですから
 美哉が顔を上げると、由臣は美哉をにらみつけていた。美哉も負けずににらみ返した。

「そんなの、みんな同じくらい気持ちが良かったに決まってるじゃないですか!」
「一番はいないと?」
「いません。みんな私の御庭番ですから」

 美哉の言葉に、由臣は大きくため息を吐いた。

「その言葉、戦略的に言ってる? 無意識で言ってる?」
「へっ?」
「私の御庭番って……はー、そういうことをさらりと言うから、あいつらも美哉に懐くんだよなぁ」
「どういうことですか」

 美哉としては、戦略でもなく、無意識でもなく、むしろヤケ気味に言葉にしたものだった。

「御庭番ってのは、もう時代遅れのものだ」
「…………」
「御庭番たちが一番、自分たちの立場を否定したがっているんだ」
「……そんな悲しいことを言ってましたね」
「それに、あいつらはイレギュラーで、俺が代理をするまで、与頭さえいなかったんだ」
「え?」
「俺の母についていた御庭番は、母にしか仕えない。それに御庭番は基本、世襲制なんだよ」
「それで、勝千代も吟太も……」
「伊吹の家も代々、御庭番の家系だし、古坂も、そこの川村もそうだ」

 美哉は川村に視線でたずねると、大きくうなずかれた。

「母は、俺が六歳の時に亡くなった」
「え……そんな幼い頃にですか」
「あぁ。それも、初めて作ってくれた母の手料理に母自らが毒を仕込ませていて、俺も巻き添えを食らいそうになってだ」
「っ!」
「俺は味に異変を感じて、それほど食べなかったんだが、母は自ら毒を盛った料理をすべて食べて……死んだ」
「…………」
「母は俺を憎んでいたんだ。それと、父に無理矢理犯されて、孕まされて、下ろすことを許されず、後添えにされた恨みもあり、父も殺したいほど憎んでいたんだ」
「う……そ」
「信じられないだろう? 母は父の護衛をやっていたんだが、父は前妻を亡くした次の日に、慰めてほしいと言って、俺の母を犯したそうだ」
「そ……んな」
/277ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ