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恋の行方を探してください【完結】
第38章 【三十八話】独占欲
事務所へ戻る車の中で、由臣は口を開いた。
「話が途中だったな。金山果代は槇の部屋に隠しカメラを仕掛けていたかもしれないという話だったな」
「……はい」
「槇の出退勤記録を確認しなければならないが、ここのところ、残業続きだったと思われる」
「新ブランドの立ち上げでですか」
「あぁ、そうだ。そして、金山果代はあまり勤務態度がよろしくなかったということだ」
「そんなことを言ってましたね」
「事務は確か九時から十七時までだったと思うが、工場エリアの検品課は三交代制だったはずだから、金山果代はシフト次第では、昼間から自由に動けていたはずだ」
「……お昼に合鍵を使って槇さんの部屋に入り込んで……」
「隠しカメラのデータを回収していたのかもしれないな」
「…………」
美哉は信じられなくて、ぶるりと身震いをした。
「気持ちが悪いです」
「あぁ、そうだな。そこまで執着させるなにかが槇にあったのか、単に金山果代がおかしかったのか、もう今になっては分からない」
「……二人とも、死んでしまいました」
「残念な結果になってしまったな……」
「はい」
しん……と車が静かになったが、ふと美哉は、肝心なことに触れていないことに気がついた。
「あの……」
「なんだ」
「金山さんと槇さんを殺したのは……」
「あぁ……」
かなり渋い表情を浮かべた由臣を見て、聞いてはならない質問だったのを知ったが、それでもやはり、気になることだった。
「二人を殺したのは、高木小夜だよ」
「……え」
「金曜日の夜、トラットリア・まるこぽぉろで修羅場を繰り広げた後、槇と高木小夜は一度、その場で別れたのは、嘘ではないだろう」
本人に確認しないと分からないけれど、と由臣は続けた。
「高木小夜は、勇気を出して行ったプロポーズを断られ、かなり腹を立てていたと思われる。さらには、金山果代が乱入してきたことにも、頭に血が上っていた」
「想像もつきませんけど、相当な修羅場だったのでしょうね」
「……考えたくもない」
「話が途中だったな。金山果代は槇の部屋に隠しカメラを仕掛けていたかもしれないという話だったな」
「……はい」
「槇の出退勤記録を確認しなければならないが、ここのところ、残業続きだったと思われる」
「新ブランドの立ち上げでですか」
「あぁ、そうだ。そして、金山果代はあまり勤務態度がよろしくなかったということだ」
「そんなことを言ってましたね」
「事務は確か九時から十七時までだったと思うが、工場エリアの検品課は三交代制だったはずだから、金山果代はシフト次第では、昼間から自由に動けていたはずだ」
「……お昼に合鍵を使って槇さんの部屋に入り込んで……」
「隠しカメラのデータを回収していたのかもしれないな」
「…………」
美哉は信じられなくて、ぶるりと身震いをした。
「気持ちが悪いです」
「あぁ、そうだな。そこまで執着させるなにかが槇にあったのか、単に金山果代がおかしかったのか、もう今になっては分からない」
「……二人とも、死んでしまいました」
「残念な結果になってしまったな……」
「はい」
しん……と車が静かになったが、ふと美哉は、肝心なことに触れていないことに気がついた。
「あの……」
「なんだ」
「金山さんと槇さんを殺したのは……」
「あぁ……」
かなり渋い表情を浮かべた由臣を見て、聞いてはならない質問だったのを知ったが、それでもやはり、気になることだった。
「二人を殺したのは、高木小夜だよ」
「……え」
「金曜日の夜、トラットリア・まるこぽぉろで修羅場を繰り広げた後、槇と高木小夜は一度、その場で別れたのは、嘘ではないだろう」
本人に確認しないと分からないけれど、と由臣は続けた。
「高木小夜は、勇気を出して行ったプロポーズを断られ、かなり腹を立てていたと思われる。さらには、金山果代が乱入してきたことにも、頭に血が上っていた」
「想像もつきませんけど、相当な修羅場だったのでしょうね」
「……考えたくもない」