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恋の行方を探してください【完結】
第42章 【四十二話】『恋の行方』の行方

美哉、という名前に綺華はどうやら反応したようだった。
「美哉って言ったら、今、当麻が夢中になってる女じゃない。えー、こんな冴えない女なの? ちょっと許せないんだけどっ」
いきなり怒り始めた綺華に、由臣は美哉の手首をきつく掴むと、綺華に背を向けて来た道を戻り始めた。
「……やっぱり連れて来なければ良かった」
「どうしてですかっ! 怒ったら同レベルと言われましたけど、やっぱり私、大切な人たちを馬鹿にされて、許せません!」
「あいつは宇宙人だ、文化が違うんだから、なにを言っても無駄だ」
「待ちなさい! あたしの当麻を取っていこうとしているヤツは許せない……!」
カツッカツッと甲高いヒールで走ってきている音がしたが、由臣は後ろを向き、綺華がペットと言った男に目配せした。男は由臣の合図になにを思ったのか、綺華をぎゅっと抱きしめた。そして耳元で何事かを囁いた。
「離しなさい! あの女、殴らないと気が済まない……!」
その一言に美哉はぞっとしたが、背筋を伸ばして平気な振りをした。
「日下部綺華、先に言っておく。美哉は小早川のナンバーツーだ。こいつに手を出したら、おまえだけでは済まない問題になるとだけ言っておく」
「ハンッ、そんなの関係ないわ。あたしから当麻を奪った罪、絶対に償わせてやる!」
「美哉って言ったら、今、当麻が夢中になってる女じゃない。えー、こんな冴えない女なの? ちょっと許せないんだけどっ」
いきなり怒り始めた綺華に、由臣は美哉の手首をきつく掴むと、綺華に背を向けて来た道を戻り始めた。
「……やっぱり連れて来なければ良かった」
「どうしてですかっ! 怒ったら同レベルと言われましたけど、やっぱり私、大切な人たちを馬鹿にされて、許せません!」
「あいつは宇宙人だ、文化が違うんだから、なにを言っても無駄だ」
「待ちなさい! あたしの当麻を取っていこうとしているヤツは許せない……!」
カツッカツッと甲高いヒールで走ってきている音がしたが、由臣は後ろを向き、綺華がペットと言った男に目配せした。男は由臣の合図になにを思ったのか、綺華をぎゅっと抱きしめた。そして耳元で何事かを囁いた。
「離しなさい! あの女、殴らないと気が済まない……!」
その一言に美哉はぞっとしたが、背筋を伸ばして平気な振りをした。
「日下部綺華、先に言っておく。美哉は小早川のナンバーツーだ。こいつに手を出したら、おまえだけでは済まない問題になるとだけ言っておく」
「ハンッ、そんなの関係ないわ。あたしから当麻を奪った罪、絶対に償わせてやる!」

