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恋の行方を探してください【完結】
第47章 【四十七話】誘拐
顔を見た途端、頭がずきずきと痛みを発し始めた。美哉は額を押さえながら、そう聞けば、男性はお腹を抱えて笑った。
「まさかボクの名前を知らないとは思わなかったよ! それとも、これは君なりの挨拶かい?」
ズキンズキンと血管に沿うように頭が痛み、目の前が暗くなってきた。
頭の奥で危険信号が灯っていたが、あまりの頭の痛みに、美哉は動くことができないでいた。そればかりか、目の前が暗くなり、立っていられなくなった。
ぐらりと揺れる視界が気持ち悪くなり、慌ててしゃがみ込んだ。
「熱があると聞いていたが、まだその様子だと、無理強いはできないな」
「……な……に、を」
男性は柔らかなじゅうたんの上を歩いて美哉の元までやってきた。
頭痛がひどくなるし、鳥肌もぞわぞわとして、胃の辺りもムカムカとしてきた。
「近寄らないでっ!」
「そういう訳にもいくまい」
「お願い、来ないで!」
美哉は頭を抱えて床にうずくまり、吐きそうになりながらようやくそう言えた。
「ほう、なかなか反抗的だな。調子が悪そうだから今日は止めておこうと思ったが……」
肩をつかまれて、美哉は悲鳴を上げそうになった。鳥肌が立って全身が痛いし、頭もひどく痛む。
とそこへ、金切り声が聞こえた。
「当麻、どこにいるのっ!」
「ちっ、面倒なのが来たか。……また後で来る」
美哉の肩に手を掛けていた男性はそれだけ告げると、大股で部屋を出て行った。
男性が遠ざかると、ようやく鳥肌が治まった。
「まさかボクの名前を知らないとは思わなかったよ! それとも、これは君なりの挨拶かい?」
ズキンズキンと血管に沿うように頭が痛み、目の前が暗くなってきた。
頭の奥で危険信号が灯っていたが、あまりの頭の痛みに、美哉は動くことができないでいた。そればかりか、目の前が暗くなり、立っていられなくなった。
ぐらりと揺れる視界が気持ち悪くなり、慌ててしゃがみ込んだ。
「熱があると聞いていたが、まだその様子だと、無理強いはできないな」
「……な……に、を」
男性は柔らかなじゅうたんの上を歩いて美哉の元までやってきた。
頭痛がひどくなるし、鳥肌もぞわぞわとして、胃の辺りもムカムカとしてきた。
「近寄らないでっ!」
「そういう訳にもいくまい」
「お願い、来ないで!」
美哉は頭を抱えて床にうずくまり、吐きそうになりながらようやくそう言えた。
「ほう、なかなか反抗的だな。調子が悪そうだから今日は止めておこうと思ったが……」
肩をつかまれて、美哉は悲鳴を上げそうになった。鳥肌が立って全身が痛いし、頭もひどく痛む。
とそこへ、金切り声が聞こえた。
「当麻、どこにいるのっ!」
「ちっ、面倒なのが来たか。……また後で来る」
美哉の肩に手を掛けていた男性はそれだけ告げると、大股で部屋を出て行った。
男性が遠ざかると、ようやく鳥肌が治まった。