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古傷
第2章 第二章
空いていた席に腰を降ろすと、頼んでもいないのにみかが私の紹介をした。
「マー君、彼女可愛いでしょ?
私と同じ所で働いてるんだよぉ」
マー君と呼ばれた男性は、少し太めのがっしりとした体型でクーラーが効いた室内でも額の汗を拭っていた。
「どうも」
にっこりと線のように細めた目は、ギラギラと光を放っているのが見える。
獲物に狙いを定めたライオンというやつだ。
背筋に寒気が走り、一度座り直す。
毎度、彼女の機嫌を損ねるとこうなる。
私を呼ばなければこうはならないのに、私をいじめるのが大層楽しいらしい。
それも含めての彼女の合コンだが、巻き込まれる私はたまったものではない。
私はそれほど安い女ではない
込み上げてくる怒りで拳を握りながらも顔は平静を保つ。
「じゃあ、皆集まったしもう一度乾杯しよ!」
とミカが指を鳴らすと店員が丁寧にワイングラスをテーブルに並べトロリと赤ワインを注ぎ込む。
「あ、私ワインはちょっと」
「興醒めな事言わないでよ、本当は得意なくせに」
「本当に…ひっ」
「まぁまぁ、一杯くらいなら飲みましょうよ」
するりと太ももを撫でるふくよかな手の感触が気持ち悪かった。
爪を立ててやりたいのを飲み込み、男の手を押さえこむ
「やっ…わ、わかりましたから」
そんな様子を見ていたみかがにやと口角を上げたのが見え、ぎろりと睨んだ。
心底この女が嫌いだ、なのに逆らえない事を知っている彼女は、余裕綽々と赤ワインで満たされたグラスを高々と掲げ
「じゃ、カンパーイ」と言った。
「マー君、彼女可愛いでしょ?
私と同じ所で働いてるんだよぉ」
マー君と呼ばれた男性は、少し太めのがっしりとした体型でクーラーが効いた室内でも額の汗を拭っていた。
「どうも」
にっこりと線のように細めた目は、ギラギラと光を放っているのが見える。
獲物に狙いを定めたライオンというやつだ。
背筋に寒気が走り、一度座り直す。
毎度、彼女の機嫌を損ねるとこうなる。
私を呼ばなければこうはならないのに、私をいじめるのが大層楽しいらしい。
それも含めての彼女の合コンだが、巻き込まれる私はたまったものではない。
私はそれほど安い女ではない
込み上げてくる怒りで拳を握りながらも顔は平静を保つ。
「じゃあ、皆集まったしもう一度乾杯しよ!」
とミカが指を鳴らすと店員が丁寧にワイングラスをテーブルに並べトロリと赤ワインを注ぎ込む。
「あ、私ワインはちょっと」
「興醒めな事言わないでよ、本当は得意なくせに」
「本当に…ひっ」
「まぁまぁ、一杯くらいなら飲みましょうよ」
するりと太ももを撫でるふくよかな手の感触が気持ち悪かった。
爪を立ててやりたいのを飲み込み、男の手を押さえこむ
「やっ…わ、わかりましたから」
そんな様子を見ていたみかがにやと口角を上げたのが見え、ぎろりと睨んだ。
心底この女が嫌いだ、なのに逆らえない事を知っている彼女は、余裕綽々と赤ワインで満たされたグラスを高々と掲げ
「じゃ、カンパーイ」と言った。