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夏が来たら
第1章 美しく退屈な夏休み
大学ニ年の夏休み。
「大学生活もまだ二年もある」「もう二年しかない」どちらとも取れる微妙なお年頃。
向井絢子はよぼよぼのおじいさん犬・ジョーを伴い、一人で避暑地にやって来た。
茹だるような暑さの東京では、老体のジョーにはあまりに酷だ。
絢子の両親は共働きなので、夏休みで時間を持て余している絢子が避暑地の別荘へジョーを連れて行くことになった。
高原の涼しい風が吹くこの場所で、ジョーはいくらか元気を取り戻したようだった。
幼い頃からきょうだいのように育ったジョーは、絢子にとってかけがえのない家族だ。
東京の家で死にかけていたジョーが穏やかな表情を浮かべているのを見ると、絢子は心の底からほっとした。
「大学生活もまだ二年もある」「もう二年しかない」どちらとも取れる微妙なお年頃。
向井絢子はよぼよぼのおじいさん犬・ジョーを伴い、一人で避暑地にやって来た。
茹だるような暑さの東京では、老体のジョーにはあまりに酷だ。
絢子の両親は共働きなので、夏休みで時間を持て余している絢子が避暑地の別荘へジョーを連れて行くことになった。
高原の涼しい風が吹くこの場所で、ジョーはいくらか元気を取り戻したようだった。
幼い頃からきょうだいのように育ったジョーは、絢子にとってかけがえのない家族だ。
東京の家で死にかけていたジョーが穏やかな表情を浮かべているのを見ると、絢子は心の底からほっとした。