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第3章 静寂を破る者

秋生の母方の祖父はフランス人で、若い頃はキュイジニエ（料理人）をしていた。


祖父の家に行く度に、よく一緒に料理を作ったものだよ。


うちでは父の好みで和食ばかりだったから、たまに食べる祖父のフレンチが珍しくて、とても美味しかった。


そう語る秋生の顔は、幸せな日々を噛み締めているようだった。


秋生は日本人らしい容姿だけれど、そう言われてみれば栗色の髪と目が西洋人の血を思わせた。