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狂い咲く花
第12章 二、紫陽花 - 辛抱強い愛情
いつもは何も言わず静観している母親がさすがに口を挟む。
「麻耶…仮にもあなたの義理のご両親よ。一緒に行って挨拶してきたら?」
しかし、その一言は余計で、頬を膨らませて機嫌が悪くなる。
「麻耶は行かない。お留守番してる。」
それだけ言い捨てると、大きな音を立てて部屋を出て行ってしまう。
子供が生まれてから、一層我儘になった麻耶。
今まで自分が一番だったのが蘭子に取れて、自分の子供なのに嫉妬しているかのようだった。
「いいわよ…私一人で行くから。北都姉様もお腹が大きくなっているだろうし、様子をみてくるわ」
春日と北都も結婚して、もうじき子供が生まれる予定だった。
行き来はなくとも、狭い町、話はいろんなところから回ってくる。
良い噂も悪いうわさも…
「葉月もたまには帰ってあげて。私たちに遠慮しなくていいんだから。ねっ。父様」
「ああ…たまには帰ってやれ」
照れている父親を愛おしく思えてならなかった。
家族は誰でも大切で、今は葉月も家族と認め大切に思ってくれている。
そんな父様が大好きでたまらなかった。
「麻耶…仮にもあなたの義理のご両親よ。一緒に行って挨拶してきたら?」
しかし、その一言は余計で、頬を膨らませて機嫌が悪くなる。
「麻耶は行かない。お留守番してる。」
それだけ言い捨てると、大きな音を立てて部屋を出て行ってしまう。
子供が生まれてから、一層我儘になった麻耶。
今まで自分が一番だったのが蘭子に取れて、自分の子供なのに嫉妬しているかのようだった。
「いいわよ…私一人で行くから。北都姉様もお腹が大きくなっているだろうし、様子をみてくるわ」
春日と北都も結婚して、もうじき子供が生まれる予定だった。
行き来はなくとも、狭い町、話はいろんなところから回ってくる。
良い噂も悪いうわさも…
「葉月もたまには帰ってあげて。私たちに遠慮しなくていいんだから。ねっ。父様」
「ああ…たまには帰ってやれ」
照れている父親を愛おしく思えてならなかった。
家族は誰でも大切で、今は葉月も家族と認め大切に思ってくれている。
そんな父様が大好きでたまらなかった。