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狂い咲く花
第13章 二、美女桜 - 家族の和合
次の日、昼前に美弥は蘭子を抱いて豊田家に向かった。
道中、すれ違う人に白い目で見られながらも、明るく挨拶をして足を進めた。
生まれて10か月も過ぎれば体重も増えて動きも活発になって行く。
久しぶりに外に出れたのがうれしいのかキョロキョロと顔を動かしながら外の様子をうかがっている。
30分程歩くと、立派な構えの呉服問屋が見えてきた。
今も昔も変わらず繁盛している。
暖簾をくぐって中に入れば、新しい使用人が声を掛けてくる。
それを手で静止て番台に座っている若旦那に声を掛けた。
「春日兄さん。お久しぶりです」
美弥の声に顔をあげた春日兄は驚いて言葉を発することを忘れた。
「春日兄さん?」
「あっ…ごめんごめん…」
ゆっくりと立ち上がり、私たちの方に足を進める。
どこか緊張している様に見える春日兄に蘭子の顔を向けて話かけた。
「蘭子。あなたの叔父様ですよ~」
「きゃっ」
葉月にどことなく雰囲気が似ている春日兄にうれしそうに反応する。
美弥と蘭子の顔を見比べながら春日兄が驚いた顔で聞いてくる。
「もしかして…欄子?」
「ええ。葉月の子供の蘭子よ」
美弥がそう告げると、春日兄の手がそっと蘭子に伸びてくる。
優しく頭を撫でると、蘭子は嬉しそうに両手両足をバタバタさせた。
道中、すれ違う人に白い目で見られながらも、明るく挨拶をして足を進めた。
生まれて10か月も過ぎれば体重も増えて動きも活発になって行く。
久しぶりに外に出れたのがうれしいのかキョロキョロと顔を動かしながら外の様子をうかがっている。
30分程歩くと、立派な構えの呉服問屋が見えてきた。
今も昔も変わらず繁盛している。
暖簾をくぐって中に入れば、新しい使用人が声を掛けてくる。
それを手で静止て番台に座っている若旦那に声を掛けた。
「春日兄さん。お久しぶりです」
美弥の声に顔をあげた春日兄は驚いて言葉を発することを忘れた。
「春日兄さん?」
「あっ…ごめんごめん…」
ゆっくりと立ち上がり、私たちの方に足を進める。
どこか緊張している様に見える春日兄に蘭子の顔を向けて話かけた。
「蘭子。あなたの叔父様ですよ~」
「きゃっ」
葉月にどことなく雰囲気が似ている春日兄にうれしそうに反応する。
美弥と蘭子の顔を見比べながら春日兄が驚いた顔で聞いてくる。
「もしかして…欄子?」
「ええ。葉月の子供の蘭子よ」
美弥がそう告げると、春日兄の手がそっと蘭子に伸びてくる。
優しく頭を撫でると、蘭子は嬉しそうに両手両足をバタバタさせた。