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狂い咲く花
第13章 二、美女桜 - 家族の和合
「美弥…ありがとう、来てくれて…奥に両親がいるから会ってやってくれる?」
優しく手を貸してもらい、美弥は家の中に上がった。
廊下を歩きながら、懐かしくも寂しくも感じ、少し昔のことを思い出していた。
「美弥。本当にありがとう。母さん、きっと喜ぶと思う。…実は、葉月の事があってから母さん元気なくてね。体調を崩して最近は寝たきりなんだ…あまり笑わなくなったし…」
春日兄が豊田家の現状を話す。
美弥も相良家のみんなも、豊田家がそんな風になっているとは思いもしていなかった。
孫に会いにこないのは、ケジメとしてのことだけだと誰もが思っていた。
「母さん…入るよ…」
春日兄が障子を開けて中の様子を見れば、少し渋い顔をする。
「ちょっと待っててね」
美弥に一言伝えて中に入っていった。
美弥は蘭子をあやしながら庭を眺めていると、部屋の中からは春日兄の声が小さく聞こえてくる。
『母さん…今日も食べてないの?蘭子に笑われるよ』
『蘭子…?』
『そう。葉月の子供の蘭子だよ』
『…』
『さぁ、起きて…今日は珍しい人が母さんに会いに来てくれているから…ちゃんと迎えてあげようね』
『春日…』
『大丈夫…誰も母さんをいじめにきたりしないから…頑張っている母さんに神様からのご褒美だよ』
部屋の中から春日兄が顔を出して手招きをする。
優しく手を貸してもらい、美弥は家の中に上がった。
廊下を歩きながら、懐かしくも寂しくも感じ、少し昔のことを思い出していた。
「美弥。本当にありがとう。母さん、きっと喜ぶと思う。…実は、葉月の事があってから母さん元気なくてね。体調を崩して最近は寝たきりなんだ…あまり笑わなくなったし…」
春日兄が豊田家の現状を話す。
美弥も相良家のみんなも、豊田家がそんな風になっているとは思いもしていなかった。
孫に会いにこないのは、ケジメとしてのことだけだと誰もが思っていた。
「母さん…入るよ…」
春日兄が障子を開けて中の様子を見れば、少し渋い顔をする。
「ちょっと待っててね」
美弥に一言伝えて中に入っていった。
美弥は蘭子をあやしながら庭を眺めていると、部屋の中からは春日兄の声が小さく聞こえてくる。
『母さん…今日も食べてないの?蘭子に笑われるよ』
『蘭子…?』
『そう。葉月の子供の蘭子だよ』
『…』
『さぁ、起きて…今日は珍しい人が母さんに会いに来てくれているから…ちゃんと迎えてあげようね』
『春日…』
『大丈夫…誰も母さんをいじめにきたりしないから…頑張っている母さんに神様からのご褒美だよ』
部屋の中から春日兄が顔を出して手招きをする。