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狂い咲く花
第13章 二、美女桜 - 家族の和合
夕日が沈み、辺りがだんだんと暗くなりかけて行く中、久しぶりに2人で歩く美弥と葉月だった。
蘭子は、はしゃぎ疲れたのか葉月の腕の中で気持ちよさそうに眠っていた。
「おばさま…びっくりしたね」
布団の上にいた母親の事を思い出す。
「うん…俺が…悪いんだ…全て…」
自分が犯してしまった罪、そしてそこから広がる波紋を終わることのない悲しみを今更ながらに実感していた。
「でも、最後には笑っていたわよ。また蘭子を連れて遊びに行けばいいのよ。おばさまとおじさまと一緒に蘭子の成長を見守っていきましょう」
葉月の背中を優しく擦りながら言葉を告げる。
「姉さん…は強いな…俺がしたことに何も言わなくて全て受け止めて…」
申し訳なさそうな目を向けてくる。
それが美弥には耐えられなかった。
葉月との仲は昔の事。
と自分に言い聞かせるかのように葉月に告げる。
「葉月…。その腕の中の温もりを感じても後悔しているって言える?私はその子を抱いた時に、私の選択は間違っていなかったって思えたのよ…辛い気持ちもあったけど、それ以上に幸せをこの子がくれたの。この子が生まれてきてくれたことに感謝している。だから…葉月も過去の事は忘れて、蘭子が幸せになることだけを考えて」
葉月は美弥の言葉を受けて、腕の中でスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている蘭子の重みを感じ取った。
望まれずに授かった命。
しかし、それはいつしか、この世の何物にも代えがたい大切な存在に変わっていたのは違いなかった。
今は、この子が生まれてきてくれたことに後悔はなかった。
「そうだな…蘭子の為にも…前を見ないとな」
美弥の言葉に、改めて蘭子の存在の大きさに気付いた葉月だった。
蘭子は、はしゃぎ疲れたのか葉月の腕の中で気持ちよさそうに眠っていた。
「おばさま…びっくりしたね」
布団の上にいた母親の事を思い出す。
「うん…俺が…悪いんだ…全て…」
自分が犯してしまった罪、そしてそこから広がる波紋を終わることのない悲しみを今更ながらに実感していた。
「でも、最後には笑っていたわよ。また蘭子を連れて遊びに行けばいいのよ。おばさまとおじさまと一緒に蘭子の成長を見守っていきましょう」
葉月の背中を優しく擦りながら言葉を告げる。
「姉さん…は強いな…俺がしたことに何も言わなくて全て受け止めて…」
申し訳なさそうな目を向けてくる。
それが美弥には耐えられなかった。
葉月との仲は昔の事。
と自分に言い聞かせるかのように葉月に告げる。
「葉月…。その腕の中の温もりを感じても後悔しているって言える?私はその子を抱いた時に、私の選択は間違っていなかったって思えたのよ…辛い気持ちもあったけど、それ以上に幸せをこの子がくれたの。この子が生まれてきてくれたことに感謝している。だから…葉月も過去の事は忘れて、蘭子が幸せになることだけを考えて」
葉月は美弥の言葉を受けて、腕の中でスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている蘭子の重みを感じ取った。
望まれずに授かった命。
しかし、それはいつしか、この世の何物にも代えがたい大切な存在に変わっていたのは違いなかった。
今は、この子が生まれてきてくれたことに後悔はなかった。
「そうだな…蘭子の為にも…前を見ないとな」
美弥の言葉に、改めて蘭子の存在の大きさに気付いた葉月だった。