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狂い咲く花
第15章 二、月光香 - 危険な快楽
南和は後始末を簡単にすませて、足元で泣き叫んでいる蘭子を抱き上げた。
抱きあげられた蘭子は南和にしがみく。
背中をさすって少しの間あやしていると、大きかった泣き声も小さくなり、全体重を南和に預けて眠る。

「ごめんね…蘭子。でもありがとう…蘭子のおかげで麻耶はいっぱい鳴けたよ」

蘭子の頭にそっと口づけをする。
床で寝ている麻耶の傍に腰を下ろして、イキ疲れている顔を見て南和は満足する。
幼さの残る表情の中に現れる、妖艶で美しい表情を自分だけが知っていると思うと葉月に優越感を感じた。

「麻耶…僕だけの麻耶…もう誰にも触らせない…ねぇ、麻耶…君はずっと僕の物だよ…」

その心を、想いを誰一人知るものはいなかった。
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