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狂い咲く花
第17章 二、千寿菊 - 嫉妬
「きつそうだね…もうやめる?」

意地悪く聞いて、麻耶の心を逆なでる。

「……まだ我慢できるから…頑張れるから…」

少し麻耶の言葉が変わり始める。
これが、約束を破った罰なのだと改めて身体で覚えさせられる麻耶だった。
今までだったら『麻耶だからしょうがないよね』で済まされて、約束を守ることも我慢することをもしてこなかった麻耶にとって、身体に刻まれるには十分な責めだった。

「まだ頑張る?」

「…うん…南和との約束だから……もう…約束は破らないって信じて……欲しいから…」

言葉の合間合間に荒い息し、身体全体はしっとりと汗をかき、顔から落ちてくる汗が南和の顔に落ちる。
責めと辛い体制で限界も近いことも分かっていた。
あの麻耶がここまで頑張るとは南和も思っていなかった。
ある程度まで罰を与えればそれでいいと思っていたのに、意外にも最後まで約束を守ろうとする健気な態度が南和の心を捉える。

「もう分かったから…もう怒ってないから…おいで」

あまりに必死に約束を守ろうとする麻耶に負けて両手を差し伸べて座らせようとする。
しかし、麻耶はその手を取ることをしない。

「ダメ…南和との約束だもん…麻耶…約束守るもん…」

頑なに拒む麻耶を見て、今すぐにでも抱きしめたいと思う。
だけど、ここまで頑張った麻耶の為に約束を守らせてあげようと最後の責めをする。
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