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狂い咲く花
第18章 二、朝霧草 - 蘇る想い出
名残惜しそうに唇を離し、今の気持ちを封印して声をかける。
「姉さん…姉さん、起きて…」
その言葉に、うっすらと瞼を上げて葉月を見つめる。
「蘭子連れて帰るよ」
「あっ…」
まだ目覚めていないのか、ぼんやりとしている
「姉さん。寝ぼけてる?暗くなるから帰るよ」
キョロキョロと辺りを見回して現状を把握していく。
「ごめんなさい…蘭子と寝てたみたい」
申し訳なさそうに、身体を起こしながら謝る。
葉月は、美弥の腕から蘭子を抱き起こした。
「いつも、ごめんね…」
「気にしないで。それより、父様と一緒?」
一番に蘭子の顔を見に来る父様の姿がなく不思議に思う。
「交渉が上手くいかなくてね…母さんと泊まりになるよ」
その言葉で美弥の顔が曇ったことに葉月は気が付く。
「そう…また、一人なのね…」
ここ最近、家の中で一人で過ごすことが多くなかった美弥は寂しさのあまり口に出してしまう。
「姉さん…」
「変なこと言ってごめんなさい…麻耶が待っているわよ。早く帰ってあげて」
先ほどの淋しそうな顔を隠して笑顔で帰ることを促す。
美弥の言葉を気にしながらも、腕の中で未だに眠り続ける蘭子を連れて相良家を後にした。
「姉さん…姉さん、起きて…」
その言葉に、うっすらと瞼を上げて葉月を見つめる。
「蘭子連れて帰るよ」
「あっ…」
まだ目覚めていないのか、ぼんやりとしている
「姉さん。寝ぼけてる?暗くなるから帰るよ」
キョロキョロと辺りを見回して現状を把握していく。
「ごめんなさい…蘭子と寝てたみたい」
申し訳なさそうに、身体を起こしながら謝る。
葉月は、美弥の腕から蘭子を抱き起こした。
「いつも、ごめんね…」
「気にしないで。それより、父様と一緒?」
一番に蘭子の顔を見に来る父様の姿がなく不思議に思う。
「交渉が上手くいかなくてね…母さんと泊まりになるよ」
その言葉で美弥の顔が曇ったことに葉月は気が付く。
「そう…また、一人なのね…」
ここ最近、家の中で一人で過ごすことが多くなかった美弥は寂しさのあまり口に出してしまう。
「姉さん…」
「変なこと言ってごめんなさい…麻耶が待っているわよ。早く帰ってあげて」
先ほどの淋しそうな顔を隠して笑顔で帰ることを促す。
美弥の言葉を気にしながらも、腕の中で未だに眠り続ける蘭子を連れて相良家を後にした。