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狂い咲く花
第20章 二、木瓜 - 平凡
「麻耶、もう行ける?」

葉月が蘭子を抱っこして、中々出てこない麻耶を呼ぶ。
今日は久しぶりに3人で相良家に遊びに行くことになっていた。

「葉月。ごめんね…行こう?」

準備が終えた麻耶が、待っている葉月の元に来て一緒に歩き出した。
3人が久しぶりの麻耶はうれしくて仕方がない。
相良家に近づくと、久しぶりに会う娘と孫を待ちきれずに外で待っている父様を見つけた。
麻耶は昔と変わらずに駆け出して父様に抱きつく。

「父様~~」

「あはははっ!!お前は全然変わらんなぁ」

軽々と持ち上げながら昔と変わらない麻耶を抱きしめる。

「ほらっ…蘭子。言うことは?」

追いついた葉月が蘭子を急かして何かを言わせようとする。
蘭子は何かを考えて思い出したかのように覚えたての言葉を口にした。

「じーじ…」

小さい声だったがはっきりと聞こえた『じーじ』の言葉。

「じーじ」

新しく覚えた言葉を嬉しそうに連呼する。
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