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狂い咲く花
第22章 二、金盞花 - 寂しさ
麻耶がイったのを見届けると、南和は動きを止めて麻耶に覆いかぶさり、何度も大きく深呼吸しながら整える。
息が整い汗も引き始めてようやく麻耶の中から抜け出した。
寝ている麻耶を抱き起して後ろから抱きしめる。
肩に顔を埋めて、麻耶の匂いを嗅いで麻耶の温もりを堪能し、今までで一番充実した時を過ごしていた。

「寂しかったんだね…誰もが、心が子供だからと言って麻耶の心を粗末にして、それを肌で感じて苦しんでた……僕でさえ気が付かなかった。ごめんね。」

優しく抱きしめた。
抱かれながら麻耶が言った言葉。
繰り返しながら捨てないで、見捨てないでと口にした麻耶の本心。
誰も麻耶を捨てていないのに、そう思ってしまう麻耶の心を思うと南和はやるせない気持ちになる。
愛しているといいながら麻耶の心の奥底にある想いを汲み取れなかった自分も責めていた。

「好きな女の心の声も聞けないなんて…僕はまだまだだ」

麻耶の本当の心を知った南和は、麻耶を守るのは葉月でもなく美弥でもなく自分だと強く心に刻んだ。

「麻耶が裏切らない限り、僕も裏切らないよ」
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