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狂い咲く花
第4章 一、雛菊 - 希望
家から少し離れた柵に座り足をブラブラさせながら、美弥が帰ってくるのを一人待っていた。
「姉様まだかな~~」
桜が満開に咲いていても陽が落ちれば冷え込む中、麻耶はひたすらいつ帰ってくるかも分からない美弥を待ち続けた。
空が朱から闇に変わる頃、2人の姿が見え隠れする。
小さなふたつの影でも麻耶には、それが美弥と葉月と分かる。
ふたりに抱きしめてもらって頭を撫でてもらえると喜んで駆け出していた。
声を出せば聞こえる距離になり声を上げようとした時、2人の影は消えた。
「あれ?間違っちゃった?」
横の道に逸れた2人を見て人違いだったかなと考えてみても、見間違うはずがないと消えて行った方に足を向けた。
ふたりが曲がった方に進むと、満開に咲き乱れる桜の木の下で抱き合っているふたりが目に入る。
麻耶はとっさに草むらに隠れて口を両手で押さえ、子供心に見てはいけないと思う。
だけど見えなくても声は否応無しに聞こえてきた。
「姉様まだかな~~」
桜が満開に咲いていても陽が落ちれば冷え込む中、麻耶はひたすらいつ帰ってくるかも分からない美弥を待ち続けた。
空が朱から闇に変わる頃、2人の姿が見え隠れする。
小さなふたつの影でも麻耶には、それが美弥と葉月と分かる。
ふたりに抱きしめてもらって頭を撫でてもらえると喜んで駆け出していた。
声を出せば聞こえる距離になり声を上げようとした時、2人の影は消えた。
「あれ?間違っちゃった?」
横の道に逸れた2人を見て人違いだったかなと考えてみても、見間違うはずがないと消えて行った方に足を向けた。
ふたりが曲がった方に進むと、満開に咲き乱れる桜の木の下で抱き合っているふたりが目に入る。
麻耶はとっさに草むらに隠れて口を両手で押さえ、子供心に見てはいけないと思う。
だけど見えなくても声は否応無しに聞こえてきた。