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狂い咲く花
第26章 二、昇り藤 - あなたは私の安らぎ
葉月は開いている距離を縮め美弥の手を取った。
実際の距離も心の距離も縮まった。

「俺の過ちで…苦しい思いさせてごめん…」

「いいえ…ずっと私を好きでいてくれてありがとう」

お互いに迷いのない眼差しを向け見つめ合う。

「美弥…ずっと愛してた…これからも美弥だけを愛してる。」

「私も…葉月だけを愛してる」

新たに愛を確かめあった2人は唇を重ねた。
その姿が揺らぐ蝋燭の火によって障子に浮かび上がる。
離れていた身体が近づき、影が重なり合えば何をしているかは嫌でも分かってしまう。
その影は揺らめきながら長い時間重なっていた。
そして影が離れると蝋燭の火が消え影は無くなる。
それを遠くから見ている者がいたとは2人は知らなかった。
それが悲劇をもたらすとは誰も知らない…


第二部完
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