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狂い咲く花
第28章 三、クロッカス - 愛をもう一度(紫)
幸信の消えた姿を思い出しながら、彼の深い愛を思い葉月と重ねる。
「葉月に会いたいな」
愛しい人の名を口にして、そこにいない葉月を思いだす。
「想いは通じるものだよ」
不意に聞こえた声に驚き、声がしたほうに顔を向ける。
そこには美弥が今一番会いたい人が立っていた。
「どうして…帰ったんじゃなかったの?」
うれしさと驚きで声が裏返る。
「俺に会いたかったの?」
葉月は、ゆっくりと近づきながらうれしそうに美弥に聞く。
美弥は遠慮せずに自分の気持ちを正直に口にする。
「うん…会いたかった…」
葉月に手を差し出すと、躊躇なくその手を握りしめる。
その当たり前の行為が美弥の心を満たしていく。
『葉月さんの手を離さないように』
幸信の言葉が頭に浮かぶ。
言われなくても離す気など美弥にはない。
「何を考えてる?」
何も言わずに葉月に握られている手を見つめている美弥に聞く。
その言葉に美弥は迷った。
幸信が来たこと、そして話をしたことを告げるべきかを。
心配するかもしれない。
けれど、彼が残してくれた言葉をどうしても伝えたくなり、正直に話すことにした。
「葉月に会いたいな」
愛しい人の名を口にして、そこにいない葉月を思いだす。
「想いは通じるものだよ」
不意に聞こえた声に驚き、声がしたほうに顔を向ける。
そこには美弥が今一番会いたい人が立っていた。
「どうして…帰ったんじゃなかったの?」
うれしさと驚きで声が裏返る。
「俺に会いたかったの?」
葉月は、ゆっくりと近づきながらうれしそうに美弥に聞く。
美弥は遠慮せずに自分の気持ちを正直に口にする。
「うん…会いたかった…」
葉月に手を差し出すと、躊躇なくその手を握りしめる。
その当たり前の行為が美弥の心を満たしていく。
『葉月さんの手を離さないように』
幸信の言葉が頭に浮かぶ。
言われなくても離す気など美弥にはない。
「何を考えてる?」
何も言わずに葉月に握られている手を見つめている美弥に聞く。
その言葉に美弥は迷った。
幸信が来たこと、そして話をしたことを告げるべきかを。
心配するかもしれない。
けれど、彼が残してくれた言葉をどうしても伝えたくなり、正直に話すことにした。