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狂い咲く花
第5章 一、百合 - 無垢
春が過ぎ、日差しが強くなりかけた夏。
前にも増して麻耶は美弥にべったりになった。
どこに行くにしてもまとわりつき、美弥と葉月が2人っきりになるのをとても嫌がるようになっていた。
急な変化に不思議に思ったふたりだったが、美弥が一週間も家を空けていたせいだろうと深くは考えなかった。
ふたりが桜の下で口づけを交わしている姿を見られていたとは露ほどにも思わない。
夏の暑さを凌ぐために、もう一人の幼馴染・南和(みなわ)を誘って近くの湖に遊びに行くことになった。
そこは昔から4人の秘密基地で他の大人たちは近寄らない場所だった。
なぜなら不吉な言い伝えが残る場所で、それを信じている大人たちは近寄らない。
それが返って子供たちにとってかっこうの秘密基地となる。
今日も朝から日差しが強く、じっとしていても汗が流れてくるほどだった。
美弥は朝から葉月の好きなもばかりをお弁当に詰め、それだけで心は弾んでいた。
麻耶は久しぶりに会う南和と、一日中外で遊べると大はしゃぎで、ずっと南和に寄り添っていた。
その南和は、美味しい魚をみんなに食べさせたくて、湖に向かって糸を垂らしていた。
「美弥~~葉月~~。大きいのがとれたよ~」
釣れたばかりの魚を美弥と葉月に見せようと抱きかかえて叫ぶ。
その横では麻耶が興奮して声をあげていた。
「南和すご~い。すご~い」
彼女たちより2つ年下の南和は、麻耶と感性が似ているのか2人一緒にいると本当に子供のようにみえてしまう。
前にも増して麻耶は美弥にべったりになった。
どこに行くにしてもまとわりつき、美弥と葉月が2人っきりになるのをとても嫌がるようになっていた。
急な変化に不思議に思ったふたりだったが、美弥が一週間も家を空けていたせいだろうと深くは考えなかった。
ふたりが桜の下で口づけを交わしている姿を見られていたとは露ほどにも思わない。
夏の暑さを凌ぐために、もう一人の幼馴染・南和(みなわ)を誘って近くの湖に遊びに行くことになった。
そこは昔から4人の秘密基地で他の大人たちは近寄らない場所だった。
なぜなら不吉な言い伝えが残る場所で、それを信じている大人たちは近寄らない。
それが返って子供たちにとってかっこうの秘密基地となる。
今日も朝から日差しが強く、じっとしていても汗が流れてくるほどだった。
美弥は朝から葉月の好きなもばかりをお弁当に詰め、それだけで心は弾んでいた。
麻耶は久しぶりに会う南和と、一日中外で遊べると大はしゃぎで、ずっと南和に寄り添っていた。
その南和は、美味しい魚をみんなに食べさせたくて、湖に向かって糸を垂らしていた。
「美弥~~葉月~~。大きいのがとれたよ~」
釣れたばかりの魚を美弥と葉月に見せようと抱きかかえて叫ぶ。
その横では麻耶が興奮して声をあげていた。
「南和すご~い。すご~い」
彼女たちより2つ年下の南和は、麻耶と感性が似ているのか2人一緒にいると本当に子供のようにみえてしまう。