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狂い咲く花
第5章 一、百合 - 無垢
「今日は南和が来てくれてよかったわ。最近は忙しそうで麻耶が遊んでくれないって泣くんだもの」
「麻耶は南和にべったりだからなぁ」
「ふふっ。葉月にもべったりよ」
「俺より美弥にべったりじゃないの?特に最近は」
木陰に座って幼すぎる2人を保護者のように眺めながらふたりだけの時間を過ごす。
葉月が言ったように、今日は南和がいるためか美弥には甘えてこない。
やっと2人っきりになれたと、見えない場所でそっと手を繋ぎ久しぶりに伝わる温もりにお互いの心は踊る。
もっと触れたいと願うがそれは叶わない。
少し寂しい思いをしていると、魚釣りをしていた南和が麻耶の手を引いて林の中に入って行くのが目に留まり、美弥は慌てて声を上げた。
「あまり奥にはいかないのよ」
南和は『分かった』と手を振って行ってしまった。
ふたりの姿が消えたのを確認した葉月の手が、美弥の頬を撫で自分のほうに顔を向けさせた。
お互いの瞳が絡み合い吸い込まれるように唇が重なった。
「麻耶は南和にべったりだからなぁ」
「ふふっ。葉月にもべったりよ」
「俺より美弥にべったりじゃないの?特に最近は」
木陰に座って幼すぎる2人を保護者のように眺めながらふたりだけの時間を過ごす。
葉月が言ったように、今日は南和がいるためか美弥には甘えてこない。
やっと2人っきりになれたと、見えない場所でそっと手を繋ぎ久しぶりに伝わる温もりにお互いの心は踊る。
もっと触れたいと願うがそれは叶わない。
少し寂しい思いをしていると、魚釣りをしていた南和が麻耶の手を引いて林の中に入って行くのが目に留まり、美弥は慌てて声を上げた。
「あまり奥にはいかないのよ」
南和は『分かった』と手を振って行ってしまった。
ふたりの姿が消えたのを確認した葉月の手が、美弥の頬を撫で自分のほうに顔を向けさせた。
お互いの瞳が絡み合い吸い込まれるように唇が重なった。