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狂い咲く花
第29章 三、水仙 - 自己愛
「美弥、おはよう」
葉月を見送り朝ごはんの用意をしている時に、勝手口から入ってきた南和が挨拶をする。
「南和、おはよう。早いのね」
「うん。麻耶に用事があって家に行ったら誰もいなくてね。ここかなって思って」
台所から部屋の中を覗き込み、麻耶を探す。
「昨日の夜に蘭子と泊まりに来たのよ。そろそろ起こしに行こうかと思ってたところよ…南和も食べて行く?」
「やった~。食べるよ。麻耶起こしに行ってこようか?」
「そう?お願いしていい?いつもの部屋で寝てるわ」
「は~い」
南和は終始笑顔で美弥と対話する。
その笑顔の裏に何があるとは美弥は気が付かない。
幸信に“気を付けて”と言われても、今の笑顔からは結び付かなかった。
南和は間違うことなく麻耶の部屋へ向かった。
少し襖を開けて覗いてみると、麻耶は身体を起こしてボーっとしていた。
寝起きが悪い麻耶が覚醒するのに時間を有する。
「麻耶…おはよう」
声を掛けながら中に入ると、麻耶はゆっくりと振り返る。
麻耶の目が南和を捉えると両手を出して抱きしめて欲しいと訴える。
その行為が可愛くて愛しくて、南和は麻耶を抱きしめる。
「おはよ」
南和の首筋に顔をスリスリしながら甘え始める。
葉月を見送り朝ごはんの用意をしている時に、勝手口から入ってきた南和が挨拶をする。
「南和、おはよう。早いのね」
「うん。麻耶に用事があって家に行ったら誰もいなくてね。ここかなって思って」
台所から部屋の中を覗き込み、麻耶を探す。
「昨日の夜に蘭子と泊まりに来たのよ。そろそろ起こしに行こうかと思ってたところよ…南和も食べて行く?」
「やった~。食べるよ。麻耶起こしに行ってこようか?」
「そう?お願いしていい?いつもの部屋で寝てるわ」
「は~い」
南和は終始笑顔で美弥と対話する。
その笑顔の裏に何があるとは美弥は気が付かない。
幸信に“気を付けて”と言われても、今の笑顔からは結び付かなかった。
南和は間違うことなく麻耶の部屋へ向かった。
少し襖を開けて覗いてみると、麻耶は身体を起こしてボーっとしていた。
寝起きが悪い麻耶が覚醒するのに時間を有する。
「麻耶…おはよう」
声を掛けながら中に入ると、麻耶はゆっくりと振り返る。
麻耶の目が南和を捉えると両手を出して抱きしめて欲しいと訴える。
その行為が可愛くて愛しくて、南和は麻耶を抱きしめる。
「おはよ」
南和の首筋に顔をスリスリしながら甘え始める。