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狂い咲く花
第29章 三、水仙 - 自己愛
外は夕日に照らされて赤く染まっていた。
これからの麻耶の心情を思うと美弥の心も落ち込んでいく。
葉月の言ったように後悔はしていなかった。
麻耶を傷つけても葉月を選んだ自分が幸せになっていいのだろうかと、消えぬ思いがあった。
そんなことを思いながら歩いていると先ほど蘭子とぶつかった男性と出会う。
「どうしたんですか?」
何かの紙を見て考えて込んでいる男性に声を掛けた。
「さっきの…。家を探しるんだけどさっぱりで…ここ分かります?」
今しがたまで見ていた紙を美弥に差し出した。
その紙に目を通して理解する。
「金沢さんのお宅ですか?」
「知ってる?」
「ええ…でもこの地図では分かりにくいですね…もともと分かりにくい場所に家がありますから…ご案内しましょうか?」
「でもご迷惑では?」
申し訳なさそうに言う男性に美弥は微笑む。
「蘭子がぶつかってしまったお詫びだと思ってください。それに、この地図では日が暮れる前につけそうにないですよ。」
「そうなんですね。ではお言葉に甘えさせていただこうかな」
そういって、美弥に先導されながら目的地に足を向けた。
これからの麻耶の心情を思うと美弥の心も落ち込んでいく。
葉月の言ったように後悔はしていなかった。
麻耶を傷つけても葉月を選んだ自分が幸せになっていいのだろうかと、消えぬ思いがあった。
そんなことを思いながら歩いていると先ほど蘭子とぶつかった男性と出会う。
「どうしたんですか?」
何かの紙を見て考えて込んでいる男性に声を掛けた。
「さっきの…。家を探しるんだけどさっぱりで…ここ分かります?」
今しがたまで見ていた紙を美弥に差し出した。
その紙に目を通して理解する。
「金沢さんのお宅ですか?」
「知ってる?」
「ええ…でもこの地図では分かりにくいですね…もともと分かりにくい場所に家がありますから…ご案内しましょうか?」
「でもご迷惑では?」
申し訳なさそうに言う男性に美弥は微笑む。
「蘭子がぶつかってしまったお詫びだと思ってください。それに、この地図では日が暮れる前につけそうにないですよ。」
「そうなんですね。ではお言葉に甘えさせていただこうかな」
そういって、美弥に先導されながら目的地に足を向けた。