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狂い咲く花
第33章 三、ヒマラヤ雪ノ下 - 秘めた感情
パンパンと激しい音が暗闇に響いていた。
感情を持たない人形のように彼の動きに合わせて身体だけが揺れ、時が過ぎるのをただ待つほかない。

「っつ…」

時折、無感情に受け入れる彼女に腹が立ち、痛みを与える。
さすがに痛みには反応した。

「お前は快感より痛みのほうが良いみたいだな…首を絞められながら突かれるのを望むか?」

そう聞きながら、それは質問ではなく決まり事だと美弥はもう分かっていた。
これで何度、この男に屈辱的に抱かれたのだろうかと感情もなく考える。
交わることは悪ではない。
ただ虚無の時間が訪れるだけ。
と、美弥は心を殺して人形と化していた。
それが面白くない宝賀は快楽より痛みで美弥の興味を引く。
四つんばいになっていた美弥を、仰向けにして両足を折り曲げて中に挿入する。
そして両手を美弥の首に回し締め上げる。
徐々に力を込めて、歪む顔を楽しむ。

「うっ…」

息が苦しくなり、美弥は苦悶に顔を歪めもがきはじめた。
それでも手を緩めることなく、グッと力を込める。

「ぐっ…」

「くくくっ…物凄く締まったな」

酸素が体内に回らず、意識が朦朧とし始める頃に宝賀は腰を動かし始める。
奥深くまで何度も打ちつけながら、締まった胎内に擦りつけて一気に美弥の中に白濁を流し込む。
全てを流し込み、いつもはここで手を離す宝賀は、更に力を込めた。

「ぐえっ」

人とは思えない声が美弥の喉から聞こえた。
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