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狂い咲く花
第33章 三、ヒマラヤ雪ノ下 - 秘めた感情
このまま、もう一息力を込めたら死ぬだろうなと宝賀は人事のように美弥を見つめていた。

───ヒュ───ゲホゲホゲホッ

手が緩められた瞬間に、身体は自然と酸素を求めて一気に流れ込んだ。
それに耐えられない身体は悲鳴をあげて咳き込む。
両手を喉に当て、咳をしながら小さく呼吸をする美弥を冷ややかに見つめていた。
そんな苦しむ姿を見ながら、宝賀は自分で用意していた酒を飲みだした。
少し時間が経てば呼吸も治まり、美弥は乱れたまま宝賀の傍で力なく横たわったままだった。
先ほどまでの凶悪な雰囲気は消え、横たわる美弥の髪の毛を優しく撫でながら酒を飲み続けた。
いつからだろうか?
美弥を自分本位で犯したあと、横たわる美弥の髪を撫でながら酒を飲むようになったのは。
ただ時間が許す限り、何でもない時間を宝賀は過ごすようなっていた。

「なぁ、美弥…ひとつだけ聞いていいか?」

グイッと盃に入っている酒を煽って口を開いた。
美弥は気だるい身体は動かすことはせず、目だけを向けた。

「なぜ、そこまで耐える?そんなに妹のことが大切か?」

宝賀の言葉に返事をしない美弥は静かに目を閉じた。
何を考えているか知る由もない宝賀は続けた。

「勝手にすれば、と言いさえすれば、こんな目に合わずにすむだろうに…頑なに妹を守ろうとするお前の心が分からん。…妹はお前の好きだった男を取ったんだろう?」

最後の言葉に美弥は目を開けて睨みつけた。
それ以上口にするなと無言の圧力のように思えた。
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