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狂い咲く花
第36章 三、吾亦紅 – 変化
少年の手を解こうと、自分の首を掻きむしるが緩むことはなかった。
いつの間にか、少年の手を解こうとしている手が滑り落ちた。
少年は気が付かずに奥深くを突き、母様の中で果てた。
『ハァハァハァ…』
荒い息をしながら、首から手を離すと母様の首はだらりと横を向いた。
その時になって、母様が死んだのだと分かった。
『あっ…ははっ…ははははっ』
母の死を見て青年は狂ったように笑った。
そして天井を仰ぎ、青年の声が咆哮する。
『あ゛―――――――――――――――――――』
────…
「あ゛―――――――――――――――――――」
宝賀は自分の叫び声で目を覚ました。
「はぁはぁはぁ…」
荒い息をしながら隣に眠る美弥を見つめれば、規則正しい寝息をしていた。
美弥と一緒にいるようになって日に日に鮮明になっていく自分の過去に困惑する。
忘れているように思えて忘れていない禍々しい過去。
「ん…」
美弥が寝返りを打ち、宝賀に抱きつく。
その行為がまた宝賀を欲情させる。
何度、美弥の中に吐き出しても飽きることもなく抱き潰す。
何も考えられないように。
自分しか見えないように。
しかし、宝賀は知っていた。
その心の奥深くに葉月が生き続けていることを。
いつの間にか、少年の手を解こうとしている手が滑り落ちた。
少年は気が付かずに奥深くを突き、母様の中で果てた。
『ハァハァハァ…』
荒い息をしながら、首から手を離すと母様の首はだらりと横を向いた。
その時になって、母様が死んだのだと分かった。
『あっ…ははっ…ははははっ』
母の死を見て青年は狂ったように笑った。
そして天井を仰ぎ、青年の声が咆哮する。
『あ゛―――――――――――――――――――』
────…
「あ゛―――――――――――――――――――」
宝賀は自分の叫び声で目を覚ました。
「はぁはぁはぁ…」
荒い息をしながら隣に眠る美弥を見つめれば、規則正しい寝息をしていた。
美弥と一緒にいるようになって日に日に鮮明になっていく自分の過去に困惑する。
忘れているように思えて忘れていない禍々しい過去。
「ん…」
美弥が寝返りを打ち、宝賀に抱きつく。
その行為がまた宝賀を欲情させる。
何度、美弥の中に吐き出しても飽きることもなく抱き潰す。
何も考えられないように。
自分しか見えないように。
しかし、宝賀は知っていた。
その心の奥深くに葉月が生き続けていることを。