この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狂い咲く花
第2章 一、木香薔薇 - 幼い頃の幸せな時間
木枯らしが障子をガタガタと音を響かせ、その部屋の中では2人の少女が火鉢を囲み暖を取っていた。
髪を結い上げて大人びた表情をして本を読んでいる少女と、結うこともしない長い髪をそのままで、あどけない表情で折り紙を折っていたふたりは対照的だった。
「ね~。姉様。この部屋はとても暖かいね」
折り紙を折っていた少女はうれしそうに本を読んでいる少女に声をかける。
姉様と呼ばれた少女は本から顔を上げるとやさしい笑みをこぼす。
「そうね。ここはとても暖かい。幸せを感じるね。麻耶」
妹の麻耶は頷き、また折り紙を折り始めた。
このふたりは双子で姉が美弥、妹が麻耶で、とても仲が良く働き者で有名だった。
父様の仕事が上手くいっていない時はとても貧しく、姉妹が働きに出て家計を支えていた為、『働き者で親孝行』だとこの辺りでは有名になった。
今では父様の仕事が成功したため、姉妹は働かなくて良くなり2人はいつも家の中にいた。
麻耶はとても働くのが嫌で美弥を困らせたが、美弥にとって働いている時は楽しかった。
なぜなら、両親を少しでも楽にさせてやりたいといつも思っていたから。
美弥は年齢のわりに大人びていて、いつも両親を気にかけていた。
それに比べ麻耶は年齢より子供っぽく自分のやりたいようにすごしていた。
髪を結い上げて大人びた表情をして本を読んでいる少女と、結うこともしない長い髪をそのままで、あどけない表情で折り紙を折っていたふたりは対照的だった。
「ね~。姉様。この部屋はとても暖かいね」
折り紙を折っていた少女はうれしそうに本を読んでいる少女に声をかける。
姉様と呼ばれた少女は本から顔を上げるとやさしい笑みをこぼす。
「そうね。ここはとても暖かい。幸せを感じるね。麻耶」
妹の麻耶は頷き、また折り紙を折り始めた。
このふたりは双子で姉が美弥、妹が麻耶で、とても仲が良く働き者で有名だった。
父様の仕事が上手くいっていない時はとても貧しく、姉妹が働きに出て家計を支えていた為、『働き者で親孝行』だとこの辺りでは有名になった。
今では父様の仕事が成功したため、姉妹は働かなくて良くなり2人はいつも家の中にいた。
麻耶はとても働くのが嫌で美弥を困らせたが、美弥にとって働いている時は楽しかった。
なぜなら、両親を少しでも楽にさせてやりたいといつも思っていたから。
美弥は年齢のわりに大人びていて、いつも両親を気にかけていた。
それに比べ麻耶は年齢より子供っぽく自分のやりたいようにすごしていた。