この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
狂い咲く花
第38章 三、緋衣草 - 家族愛
昔を思い浮かべながら和尚が語る。
和尚の頭の中に浮かんでいるのはまだ美弥と麻耶が5つか6つの頃の姿。
夕暮れ時の境内を2人で鬼ごっこをしている風景だった。

「美弥と麻耶が一緒に転んでしまってな。怪我もさほどしてないのに大泣きをする麻耶と、膝から血がでているのに泣かない美弥…お前たちは麻耶ばかりかまって美弥をないがしろにしていた…とぼとぼと境内に戻ってきた美弥を見て私が手当てをしてやったよ…その時にお前たち3人を見て『いいなぁ』って呟いとった…そういうのが積み重なっていったんじゃないのか?」

「そんなつもりじゃ…」

「責めているわけではない…私も気が付かなかったんだ。その言葉の意味を、思いを組んでいたら救ってやれていたのかもしれんと思うとな…。…葉月の言う通り連れて帰ってやったほうが良いのかもしれん。傷を負った美弥に一番いいのは家族の愛情かもしれんな」

誰もが気が付いてやれなかった美弥の想い。
必死に家族の愛を求め、愛される存在になろうと必死だった幼い美弥。
その想いが報われないまま大人になり、その心を誰も知らずにいた。

「美弥が起きたら…連れて帰ります…。葉月…お前と一緒になるのが少し先になるがいいか?」

「大丈夫です…今は美弥の事を最優先に考えてやりたい。俺一人じゃ美弥の心は埋めてやれない気がするので…」

誰もが美弥の事を一番に考える。
寂しい思いをさせた分を埋めるかのように愛してやろうとそれぞれが心の中で思う。
/661ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ