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狂い咲く花
第38章 三、緋衣草 - 家族愛
「風呂場で美弥が言いました…自分は両親に愛されていないんだって」
葉月の一言は両親に衝撃をもたらす。
「もちろん、父さんも母さんも分け隔てなく2人に愛情を注いでいたことは俺がよく知っています。けど、美弥はそうは思っていなかったみたいです。麻耶が一番で自分は2番。2人に愛してほしいから麻耶の面倒を見ていたって。麻耶より愛されたかったって。そんな想いを持っている自分が愛されるわけがないって…だから消えてしまいたって…」
「そんな…私たちは2人とも同じぐらいに愛情を注いできたはず…」
母様が困惑しうろたえ、知らずにいた美弥の心に戸惑った。
「それは分かっていると思います。分かっていても…手のかかる麻耶にかまっている姿がそう映ったのかもしれません。だから、ここで父さんと母さんと離れて暮らすべきではないんです。今こそ家族で過ごすべきだと思うんです」
葉月の言葉に和尚が頷く。
「葉月の言う通りかもしれんな。お前たち2人はいつも麻耶麻耶と何かあれば麻耶につきっきりだった。大人しくて良い子の美弥は後回しだ。同じように愛情を注いでいたとしても、幼い子供たちだ。言葉で表される方が愛情が大きいと思ったのかもしれん。…たまに、寂しそうな顔をしとったな。美弥は。」
葉月の一言は両親に衝撃をもたらす。
「もちろん、父さんも母さんも分け隔てなく2人に愛情を注いでいたことは俺がよく知っています。けど、美弥はそうは思っていなかったみたいです。麻耶が一番で自分は2番。2人に愛してほしいから麻耶の面倒を見ていたって。麻耶より愛されたかったって。そんな想いを持っている自分が愛されるわけがないって…だから消えてしまいたって…」
「そんな…私たちは2人とも同じぐらいに愛情を注いできたはず…」
母様が困惑しうろたえ、知らずにいた美弥の心に戸惑った。
「それは分かっていると思います。分かっていても…手のかかる麻耶にかまっている姿がそう映ったのかもしれません。だから、ここで父さんと母さんと離れて暮らすべきではないんです。今こそ家族で過ごすべきだと思うんです」
葉月の言葉に和尚が頷く。
「葉月の言う通りかもしれんな。お前たち2人はいつも麻耶麻耶と何かあれば麻耶につきっきりだった。大人しくて良い子の美弥は後回しだ。同じように愛情を注いでいたとしても、幼い子供たちだ。言葉で表される方が愛情が大きいと思ったのかもしれん。…たまに、寂しそうな顔をしとったな。美弥は。」