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狂い咲く花
第38章 三、緋衣草 - 家族愛
父様が小さな私の頭をポンポンと叩いて部屋の中に入っていく。
母様が私の頭を撫でて部屋の中へ入っていく。
布団に麻耶を寝かしつけ、父様と母様は微笑み合う。

『おやすみ』

母様が麻耶に呟いて2人は私たちの横に座り込む。
そして…

『美弥おいで』

母様が小さな私に手を差し伸べて自分の膝に乗せる。

『美弥おいで』

父様が私に手を差し伸べて、その手を取ると自分の膝の上に乗せる。

『私たちの愛しい子、美弥…』

小さな私と私をギュッと抱きしめてくれた。
麻耶が起きるまでずっと…
小さな私は身体を反転して母様に抱きつき、母様の首筋に顔をスリスリして甘えだした。
そんな小さな私を母様は優しい表情で優しく頭を撫でる。

『母様。美弥の事好き?』

『もちろんよ。私の愛しい子ですもの』

『麻耶よりも?』

その言葉に母様の顔が一瞬曇る。

『どちらも大切なのよ…どちらが好きかなんて選べないの。美弥も麻耶も同じぐらい大切で好きよ。それでは駄目?』

小さな私は何も言わない…言えないのだろうと私は思った。
だけど、本当は聞きたかった…
だから私が代わりに聞く。
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