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狂い咲く花
第39章 四、雛菊 - 平和
時は静かに流れていた。
両親の愛情を一身に受け、心穏やかな時間だけが過ぎていた。
美弥の穏やかな笑顔がそれを物語っている。
その笑顔が永遠に続くように誰もが願う。

美弥が見つかった次の日、美弥は葉月に抱きかかえられて両親と共に家に帰った。
家に帰りつくと、麻耶が満面な笑みを浮かべて美弥に抱き付き、その目からは涙が流れていた。
何度も何度も「よかった」としがみついて離れようとはしない。
そんな2人を見つめ安堵する。
今、この時に波風を立てなくてもいいと美弥と葉月の事は秘密にしておくことに決めた。
そして、葉月は蘭子を連れて実家に戻っていた。

『少しの間、昔みたいに家族で過ごして』

その言葉に麻耶は何の違和感も感じない。
久しぶりに一緒に過ごせることに麻耶の心は葉月どころではなかった。
それは南和も同じで麻耶の目には男2名は映らなかった。
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