この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狂い咲く花
第40章 四、夾竹桃 - 注意
涼を求めて人々は市場に足を向けた。
お囃子の音色が響き渡り、そこにいる者たちの心は踊る。
いつになく騒がしく、そして活気づいていた。
毎年、この時期になると豊作を祈り祭りが催される。
2つの山車が街中を練り歩き、市場の近くの境内で山車同士がぶつかり合う。
何度もぶつかり合い、山車の上に乗っている玉が落ちれば勝敗が決まる。
南東が勝てば豊作。
北西が勝てば大漁。
そして、それに伴い市場では盛大に祭りが開催されていた。
町中に人がいなくなるほど賑わっていた。
「麻耶、飴細工がほし~~」
麻耶は美弥の腕を離して駆け出していく。
「迷子になるわよ」
「大丈夫!迷子になったら姉様が探してくれるから」
振り返りながら話す麻耶は、色々な人にぶつかりながら目的の飴細工の店に走って行った。
まだ走れない美弥はゆっくりと歩き、その傍らでは葉月が寄り添い手を貸す。
「僕が麻耶を追いかけるから、美弥はゆっくりおいで」
南和が美弥に声を掛けて麻耶の元に走って行った。
2人で飴細工を真剣に見入り目を輝かせていた。
時たま、顔を見合わせ楽しそうに笑う姿は、兄弟のように恋人のように2人は寄り添っていた。
「麻耶の事…南和に頼んだんだ。その時に思ったんだけど…南和の奴。麻耶の事好きなんじゃないかって」
「南和が?」
葉月の言葉に美弥は驚く。
兄弟のように過ごす2人しか見ていなかった美弥は信じられなかった。
お囃子の音色が響き渡り、そこにいる者たちの心は踊る。
いつになく騒がしく、そして活気づいていた。
毎年、この時期になると豊作を祈り祭りが催される。
2つの山車が街中を練り歩き、市場の近くの境内で山車同士がぶつかり合う。
何度もぶつかり合い、山車の上に乗っている玉が落ちれば勝敗が決まる。
南東が勝てば豊作。
北西が勝てば大漁。
そして、それに伴い市場では盛大に祭りが開催されていた。
町中に人がいなくなるほど賑わっていた。
「麻耶、飴細工がほし~~」
麻耶は美弥の腕を離して駆け出していく。
「迷子になるわよ」
「大丈夫!迷子になったら姉様が探してくれるから」
振り返りながら話す麻耶は、色々な人にぶつかりながら目的の飴細工の店に走って行った。
まだ走れない美弥はゆっくりと歩き、その傍らでは葉月が寄り添い手を貸す。
「僕が麻耶を追いかけるから、美弥はゆっくりおいで」
南和が美弥に声を掛けて麻耶の元に走って行った。
2人で飴細工を真剣に見入り目を輝かせていた。
時たま、顔を見合わせ楽しそうに笑う姿は、兄弟のように恋人のように2人は寄り添っていた。
「麻耶の事…南和に頼んだんだ。その時に思ったんだけど…南和の奴。麻耶の事好きなんじゃないかって」
「南和が?」
葉月の言葉に美弥は驚く。
兄弟のように過ごす2人しか見ていなかった美弥は信じられなかった。