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狂い咲く花
第7章 一、麝香豌豆 - つかの間の喜び
「葉月起きてる?」
扉の前から声をかけてみるが返事がない。
そっと、扉を開けてみるとまだぐっすりと眠っていた。
「葉月、起きて?朝よ。ねぇ、起きて?」
何度が揺さぶると、閉じた瞼がピクピクと動き薄っすらと開いていく。
最初に映し出される美弥の顔を見て、それがどんなに幸福なことなのか葉月は噛みしめる。
美弥の膝に頭を乗せ下から見上げ甘えた。
「毎日、こうやって起こされたい」
「来年の今頃は毎日起こしてあげる。だから今日は起きて?母様が待ってるわ」
フフフッと笑い、葉月の髪を優しく撫でながら同じことを考える。
毎日好きな人と寝起きを共にし、誰に遠慮することなく触れられる。
それをどんなに願ったことか。
誰にも気づかれず育んできた二人の愛。
それを口にして言える日が近いと思えばうれしくてたまらなかった。
「うん…だけど、もう少しこのまま…このままでいさせて」
葉月の甘えた言葉に美弥の心が跳ね上がる。
この顔を声を誰にも渡したくないと独占欲が湧き上がる。
起こしに来たのも忘れて、しばらくそのままで二人の時間を大切にした。
扉の前から声をかけてみるが返事がない。
そっと、扉を開けてみるとまだぐっすりと眠っていた。
「葉月、起きて?朝よ。ねぇ、起きて?」
何度が揺さぶると、閉じた瞼がピクピクと動き薄っすらと開いていく。
最初に映し出される美弥の顔を見て、それがどんなに幸福なことなのか葉月は噛みしめる。
美弥の膝に頭を乗せ下から見上げ甘えた。
「毎日、こうやって起こされたい」
「来年の今頃は毎日起こしてあげる。だから今日は起きて?母様が待ってるわ」
フフフッと笑い、葉月の髪を優しく撫でながら同じことを考える。
毎日好きな人と寝起きを共にし、誰に遠慮することなく触れられる。
それをどんなに願ったことか。
誰にも気づかれず育んできた二人の愛。
それを口にして言える日が近いと思えばうれしくてたまらなかった。
「うん…だけど、もう少しこのまま…このままでいさせて」
葉月の甘えた言葉に美弥の心が跳ね上がる。
この顔を声を誰にも渡したくないと独占欲が湧き上がる。
起こしに来たのも忘れて、しばらくそのままで二人の時間を大切にした。