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狂い咲く花
第41章 四、勿忘草 - 私を忘れないで
「姉様───!どこ───。姉様───」
麻耶の声が家中に響き渡り、慌てて美弥は声をあげる。
「麻耶!!こっちよ。いらっしゃい」
麻耶は美弥の声が聞こえた部屋に走る。
部屋に入り、美弥を見つけると美弥の胸に飛び込んだ。
「どこにも行っちゃダメ」
泣きながらしがみつき泣き出した。
「どこにも行かないわよ…おかしな子」
美弥は麻耶の頭を撫でながら優しく告げた。
ここ数日、麻耶の様子が変わった。
以前に増して美弥に執着するようになっていた。
少しでも姿が見えないと狂ったように美弥を探し、美弥を見つけると抱き付いて離れようとしない。
何がそうさせているのか、誰には見当がつかなかった。
「麻耶。どうしたの?」
母様が抱き起そうとしてもイヤイヤと首を振り、美弥から離れようとはしなかった。
母様と美弥は顔を見合わせ、肩を竦め溜息を付く。
「姉様は、ずっと麻耶と一緒なの。どこにも行っちゃダメ」
「ずっと一緒よ。だから泣かないで」
宥めるように何度も同じ言葉を繰り返せば、麻耶の心は落ち着きいつもの笑顔に戻り甘え始める。
麻耶の声が家中に響き渡り、慌てて美弥は声をあげる。
「麻耶!!こっちよ。いらっしゃい」
麻耶は美弥の声が聞こえた部屋に走る。
部屋に入り、美弥を見つけると美弥の胸に飛び込んだ。
「どこにも行っちゃダメ」
泣きながらしがみつき泣き出した。
「どこにも行かないわよ…おかしな子」
美弥は麻耶の頭を撫でながら優しく告げた。
ここ数日、麻耶の様子が変わった。
以前に増して美弥に執着するようになっていた。
少しでも姿が見えないと狂ったように美弥を探し、美弥を見つけると抱き付いて離れようとしない。
何がそうさせているのか、誰には見当がつかなかった。
「麻耶。どうしたの?」
母様が抱き起そうとしてもイヤイヤと首を振り、美弥から離れようとはしなかった。
母様と美弥は顔を見合わせ、肩を竦め溜息を付く。
「姉様は、ずっと麻耶と一緒なの。どこにも行っちゃダメ」
「ずっと一緒よ。だから泣かないで」
宥めるように何度も同じ言葉を繰り返せば、麻耶の心は落ち着きいつもの笑顔に戻り甘え始める。