この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狂い咲く花
第41章 四、勿忘草 - 私を忘れないで
父様と母様が諭しているのも聞こえるが逆効果のようだった。
2人は顔を見合わせ微笑み合い、麻耶のいる部屋にむかった。
部屋の前に着くと麻耶が泣いているのが分かる。
美弥が葉月を見上げると、「またね」と言って襖を開けた。
中に1・2歩入ると、母様の手を払い除けて美弥に抱き付く。
「厠に行っていただけよ…一緒に寝ましょう?」
抱きしめて耳元で囁くと、麻耶は小さく頷いて鼻をすする。
手を美弥の背中にまわし、顎を美弥の肩に乗せ子犬のように擦り寄り甘えた。
……
その時に葉月は麻耶と目が合い、その目が葉月を捉え残酷に光ったような気がした。
慌てて身を隠しても、その目が脳裏に焼き付いて離れない。
ただの偶然だったのかもしれないと願いながら葉月は実家に戻った。
麻耶は美弥の手を握りしめて眠りについていた。
しっかりと握りしめられている手が麻耶の不安を伝えていた。
完全に眠っていることを確認して美弥は父様と母様に話をする。
「私がいなくなったら…麻耶はどうするのかしら…少し離れただけなのに泣き叫んでしまって…本当に出て行っていいの?」
迷わないと言っても、迷わずにはいられない。
こんなにも必要とされている手を無下に振りほどくことなどできなかった。
「心配する必要はない。お前は自分の幸せだけを考えろ…それが俺たちの願いだ。」
2人は顔を見合わせ微笑み合い、麻耶のいる部屋にむかった。
部屋の前に着くと麻耶が泣いているのが分かる。
美弥が葉月を見上げると、「またね」と言って襖を開けた。
中に1・2歩入ると、母様の手を払い除けて美弥に抱き付く。
「厠に行っていただけよ…一緒に寝ましょう?」
抱きしめて耳元で囁くと、麻耶は小さく頷いて鼻をすする。
手を美弥の背中にまわし、顎を美弥の肩に乗せ子犬のように擦り寄り甘えた。
……
その時に葉月は麻耶と目が合い、その目が葉月を捉え残酷に光ったような気がした。
慌てて身を隠しても、その目が脳裏に焼き付いて離れない。
ただの偶然だったのかもしれないと願いながら葉月は実家に戻った。
麻耶は美弥の手を握りしめて眠りについていた。
しっかりと握りしめられている手が麻耶の不安を伝えていた。
完全に眠っていることを確認して美弥は父様と母様に話をする。
「私がいなくなったら…麻耶はどうするのかしら…少し離れただけなのに泣き叫んでしまって…本当に出て行っていいの?」
迷わないと言っても、迷わずにはいられない。
こんなにも必要とされている手を無下に振りほどくことなどできなかった。
「心配する必要はない。お前は自分の幸せだけを考えろ…それが俺たちの願いだ。」