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狂い咲く花
第41章 四、勿忘草 - 私を忘れないで
「…南和…どうしよう…いなくなっちゃう………麻耶の前から消えちゃうよ…」

急に南和の腕を掴みながら震えだし麻耶は泣き、先ほどまでの妖艶で淫らな麻耶の姿はどこにもなかった。

「誰がいなくなるの?」

「はっ…葉月が…姉様といなくなっちゃう…」

その言葉を聞いて全てを話したのだと勘違いをする。

「早く一緒に住みたいって…自分たちが出ていった後の事…いっぱい話するの…」

「もう…もういいんじゃない?愛がない生活より、愛のある僕との生活の方が麻耶は幸せになれるよ」

諭すように告げる。
しかし、その言葉は麻耶の心には伝わらない。

「ダメなの…いなくなっちゃダメなの…麻耶の前からいなくなっちゃ…ダメなの。ねぇ…どうすればいい?どうすれば麻耶の物になるの?傍にいるの?」

「僕より大事?僕より大事なの?」

堪えきれずに、無理やりに振り向かせ声を荒げる。

「大事だもん…この世で一番大事だもん。…他に何もいらない…」

その言葉はあまりにも残酷で南和の心を搔き乱し狂わせた。
どこまでも手に入らないならば、一層消えてしまえばいいと良からぬことを企む。

「いいよ。麻耶の物になる方法が一つだけある…僕に任せてくれる?」

「本当?麻耶の物になる??」

「ああ…麻耶以外見る事もできずに、ずっと麻耶の傍にいる方法…」
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