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狂い咲く花
第42章 四、金木犀 - 真実
どうして、そこに南和がいるのか分からなかった。
とても冷たい目で美弥を見下ろしていた。
乱れた着物を正してくれるでもなく、後ろ手に縛られている縄を解いてくれるでもなく、とても冷たい冷酷な目で見下ろす。
そこにいるのは本当に南和なのだろうかと思うぐらいに、冷ややかだった。
「ごめんね…僕は美弥に恨みはないんだけど…麻耶からお願いされたら断れないんだ。僕」
座り込み、美弥と同じ目線になると、人差し指で喉から胸の谷間をツーッとなぞる。
身体は恐怖から震えた。
「…南和…」
「駄目だよ。そんな目をしても駄目。麻耶が望むことは何でもするんだ、僕。…それが人殺しでもね」
柔らかい喋りの中に残酷な言葉を口にする。
美弥は恐怖に怯え、これから起こる恐怖に身体が震える。
「震えてるね…僕が怖い?」
「どうして…ねえ…南和はこんなことする子じゃないわよね…ただの冗談よね…」
冗談だと思いたかった。
幼馴染の南和が、こんな酷いことするなんて思いたくもなかった。
そんな思いを馬鹿にするかのようにクスッと笑って、美弥の髪を乱暴につかみ上を向かせた。
「冗談で美弥を犯させたりする?美弥は僕の何を知ってるの?僕だけじゃないね。麻耶の事も知らないよね。心優しいふりをして人の心を踏みにじって…美弥も葉月も最低じゃん」
「踏みにじってるなんて…酷い」
「酷いのはどっち?ふたりして麻耶を傷つけて自分たちは幸せになる??それが許されると思ってるの?僕が許さないよ」
掴んでる手を離し平手で美弥の頬を殴る。
───バシッ
───バシッ
「痛いよね…麻耶はもっと痛かったんだよ。辛くて辛くてどうすることも出来なくて…だから狂ったんだよ…ねぇ…麻耶が僕に何を頼んだのか教えてあげようか…麻耶ね。僕にね。美弥を──────」
耳元で麻耶がお願いしたことを口にした。
それを聞いた美弥は目を丸くし言葉を失った。
とても冷たい目で美弥を見下ろしていた。
乱れた着物を正してくれるでもなく、後ろ手に縛られている縄を解いてくれるでもなく、とても冷たい冷酷な目で見下ろす。
そこにいるのは本当に南和なのだろうかと思うぐらいに、冷ややかだった。
「ごめんね…僕は美弥に恨みはないんだけど…麻耶からお願いされたら断れないんだ。僕」
座り込み、美弥と同じ目線になると、人差し指で喉から胸の谷間をツーッとなぞる。
身体は恐怖から震えた。
「…南和…」
「駄目だよ。そんな目をしても駄目。麻耶が望むことは何でもするんだ、僕。…それが人殺しでもね」
柔らかい喋りの中に残酷な言葉を口にする。
美弥は恐怖に怯え、これから起こる恐怖に身体が震える。
「震えてるね…僕が怖い?」
「どうして…ねえ…南和はこんなことする子じゃないわよね…ただの冗談よね…」
冗談だと思いたかった。
幼馴染の南和が、こんな酷いことするなんて思いたくもなかった。
そんな思いを馬鹿にするかのようにクスッと笑って、美弥の髪を乱暴につかみ上を向かせた。
「冗談で美弥を犯させたりする?美弥は僕の何を知ってるの?僕だけじゃないね。麻耶の事も知らないよね。心優しいふりをして人の心を踏みにじって…美弥も葉月も最低じゃん」
「踏みにじってるなんて…酷い」
「酷いのはどっち?ふたりして麻耶を傷つけて自分たちは幸せになる??それが許されると思ってるの?僕が許さないよ」
掴んでる手を離し平手で美弥の頬を殴る。
───バシッ
───バシッ
「痛いよね…麻耶はもっと痛かったんだよ。辛くて辛くてどうすることも出来なくて…だから狂ったんだよ…ねぇ…麻耶が僕に何を頼んだのか教えてあげようか…麻耶ね。僕にね。美弥を──────」
耳元で麻耶がお願いしたことを口にした。
それを聞いた美弥は目を丸くし言葉を失った。